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障害者の就職はどうする?職業訓練でプログラミングを学び働く道もある

障害者の方が就職や転職を行う上で「プログラミング」が注目されています。在宅ワークとも相性が良く、オフィスで働きにくいという障害者の方には活路となることもあります。

プログラミングは専門的な技術が必要となりますが、技術やスキルに関しても、職業訓練を利用することで無料で学ぶことができます。

今回はプログラミングを学び就職を目指す障害者の方に向け、職業訓練の活用方法について解説していきます。

目次

職業訓練とは?

障害者 職業訓練 プログラミング

「職業訓練」とは、就職に必要となるスキルや知識を無料で学べる公的制度です。

申込はハローワークから行う形となり「ハロートレーニング」とも呼ばれます。
主な対象は、就職経験のない未就業者や離職者などであり、健常者だけでなく障害者の方も利用できます。

障害者向けのハロートレーニング(障害者訓練)

障害者の場合は、「ハロートレーニング(障害者訓練)」を利用することもできます。通常の職業訓練とは異なり、職業能力開発校や障害者職業能力開発校といった障害者専用の施設やコースで学ぶことが可能となります。

コースにもよりますが、概ね半年~2年程度の期間を使い、実務に必要なスキルをしっかりと学ぶことができ、ハローワークによる就職サポートも受けることができます。

プログラミングも学べる

職業訓練では、さまざまな分野を学べますが、ITやプログラミングについて学べるコースも近年は急増しています。

例として、「神奈川障害者職業能力開発校」のITチャレンジコースでは、以下のような教育を受けることができます。

  • IT、コンピュータ、ネットワークなどの基礎
  • C言語を使った実習
  • javaプログラミング実習
  • モバイルアプリケーション実習  など

ITの基礎的な知識を学ぶところからはじまり、実際にプログラミングを行う実習も組まれているため、卒業までにプログラマーとしての基本的なスキルを習得できます。

無料な上、月10万円の給付も受け取れる

職業訓練は原則、無料で受けることができます(ただしテキスト代などは除く)。

さらにその上で、以下のような給付を受けることが可能です(失業給付を受けていない方を対象とした「求職者支援制度」を利用した場合)。

【職業訓練時に受けられる給付金】
・訓練受講手当:月10万円 ※ただし条件あり
・通所手当:訓練施設へ通所する場合の定期乗車券などの額(月上限42,500円)
・寄宿手当:月10,700円

職業訓練でスキルを学びつつ、その間は月10万円の給付も受けられるため、金銭的な面でも心強い制度といえます。

職業訓練にはデメリットもあり

良いことばかりのように見える職業訓練ですが、以下のようなデメリットも存在します。

職業訓練のデメリット
・面接、筆記試験などによる選考があり、誰でも受講できるわけではない
・募集~選考~入学まで時間がかかる(2~3か月かかることもある)
・1日6~8時間の訓練を、学校のように集団で受けなけれならない
・講座には必ず出席しなければならず、遅刻、早退、欠席が1回でもあると月10万円の支給は停止となる
・職業訓練期間中、原則としてアルバイトなどは禁止されている  など

職業訓練は面接や選考があり、入学までには時間が掛ります。また、入学後は義務教育のように職業訓練校に縛られた生活となるため、生活リズムの調整や集団行動がむずかしい障害者の方の場合、苦労することもあります。

職業訓練とは別に「就労移行支援」という制度もある

障害者 職業訓練 プログラミング

職業訓練と似たような制度として「就労移行支援」があります。就労移行支援でもプログラミングを学ぶことができます。ここでは就労移行支援の内容について解説します。

就労移行支援とは?

「就労移行支援」とは、就労を目指す障害者や難病者の方を対象とした「障害者総合支援法」に基づく福祉サービスです。職業訓練のように、就職に必要な技術やスキルを学ぶことができます。

具体的には、以下4つの観点から、障害者の就職を包括的にサポートしてくれます。

  1. 個別支援計画:個人個人の障害や適性にあわせ、就職までの計画を練る
  2. 職業訓練:就職に必要な技術やスキルを学ぶ
  3. 就職活動支援:就職先探しや面接指導など、就職までの行動をサポート
  4. 職場定着支援:長期間継続して就労するためのアフターケア

職業訓練との違いは?

職業訓練と就労移行支援の違いを表にまとめます。

就労移行支援職業訓練
訓練施設の規模小さい大きい
入所、卒業条件すぐに入所できる、就職が決まれば途中で卒業も可能入所まで数か月かかる、卒業するにはコースをすべて受講し、指定の期間学ぶ必要がある
通所する日数個人に合わせて調整(最初は週2~3日、慣れたら週5日のように)原則週5日
費用原則無料(前年度の年収によって利用料金を算出、9割以上の人は無料)無料(テキスト代などは実費)
給付金なし月10万円+通所手当+寄宿手当
就職その人の障害に合わせ就職を包括的にサポートハローワークが就職サポート

就労移行支援は、職業訓練に比べ、手軽に入所でき、通所する日数も調整が可能ですので、自分のペースで通いやすいメリットがあります。また就労移行支援は利用者とスタッフの距離が近く、前述もしたように就職に向けて4つの観点から包括的にサポートしてくれる点もメリットです。

ただし、職業訓練のように月10万円の給付金は用意されていないため、別途生活費などを用意しておく必要があります。またハローワークの就職サポートに比べ就職先が限定される可能性があります。

プログラミングも学べる?

就労移行支援にも、ITやプログラミングを学べる施設があります。

「地域名 就労移行支援 プログラミング」などで検索をすると、プログラミングを学べる施設を見つけられます。

両方通うことはできる?

職業訓練と就労移行支援を同時に併用することは原則としてできません。どちらも週5日で通うことになるためです。

障害者がプログラミングで就職できるのか

障害者 職業訓練 プログラミング

職業訓練や就労移行支援でプログラミングを学べば、本当に未経験の障害者でも企業に就職できるのでしょうか。ここでは障害者の就職の実情や注意点などを解説します。

就職を成功させている人もいる

実際に未経験から職業訓練でプログラミングを学び、プログラマーやシステムエンジニアとして企業に就職している障害者の方はいますので、就職は可能といえます。

また、情勢的にも、IT業界では現在人手不足が深刻化しており、まったくの未経験者でも採用しようとする企業は少なくありません。そのため、職業訓練で基礎を学んでいる人であれば、障害者であっても歓迎してくれることがあります。

ただし、全員が就職に成功しているわけではなく、職業訓練を終えても就職先が見つからない人もいます。そのことは頭に入れておく必要があります。職業訓練は就職を100%保証するものではありません。

障害者はプログラミングを学ぶべきか

プログラミングは「適性」が問われ、向き不向きがあります。健常者でもプログラミングが全くできないという人もいますし、障害者においてもプログラミングが上手くできる人もいれば上手くできない人もいます。

たとえばマイクロソフトの創業者「ビル・ゲイツ」、アップルコンピュータの創業者「スティーブ・ジョブズ」も、発達障害を持っていたともいわれています。

プログラミングが向いている方であれば天職となることもありますが、合っていない方ですと苦痛の日々となることもありえます。

そのため、障害者、健常者問わず、職業訓練を利用する前に、できれば自主的にプログラミングに触れ、「自分に合っているか」を一度確かめてみるとミスマッチの予防になります。

障害者でもプログラミングで就職できるが、進路はよく検討して決めよう

障害者 職業訓練 プログラミング

以上、プログラミングを目指す障害者の職業訓練について紹介しました。

職業訓練は誰にでも受ける権利がありますので、障害者の方でもチャレンジすることは可能です。また現在IT業界では、人手不足の影響からさまざまな層の人材が求められています。障害の有無、経験の有無よりも、まずはやる気を重視して採用しようとする企業もありますので、IT業界への就職も決して不可能な話ではありません。

ただし、繰り返しとなりますが、プログラミングは向き不向きがあり、人によってはプログラミングの道に進むと苦悩の日々となることもあります。その点を頭に入れた上で進路を検討するようにしてください。

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この記事を書いた人

未経験エンジニアと企業をつなぐ|IT・WEB業界について発信|1,500名以上のキャリア相談|未経験エンジニアを育成サポート|高卒→病院勤務→大手通信営業→DMM .com Group|起業し法人設立|株式会社ホールハート参画し、未経験エンジニアのキャリア支援に従事

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