プログラムのコードは英語が主体ですので、プログラミングを行う上で英語力は欠かせません。エラーメッセージなどを理解するためにも英語力は重要になります。
それでは、プログラマーとして英語力はどのくらい必要なのでしょう。ネイティブレベルの十分な英語力が必要なのでしょうか。
今回は、プログラミングと英語力の関係や必要性について解説します。プログラミングを始めようとしているけれど、英語力の面で不安を感じている方などはぜひご参考下さい。
英語力はどのくらい必要なのか

プログラミングは英語力を用いる場面がいくつかあるため、英語力はあったほうが良いといわれます。ただしプログラミングは英語を書くわけではないため、高度な英語力は一般的に求められません。
それでは、具体的にプログラミングでは英語力がどのくらい必要なのでしょう。以降で解説していきます。
中高レベルの英語力があると望ましい
プログラミングを行う上で用いる英語力は、日常的なレベルです。教育水準でいえば中学高校で学習する程度の英語力があれば十分です。「日常的な英単語を知っている」「ifなど初歩的な英文法を知っている」といった理解があるだけでも、プログラミングはだいぶスムーズに学んでいけます。
また、英単語だけでなく、IT系用語、デジタル用語、ビジネス用語なども知っていると役立つことが多いです。
読む力、聞く力が特に必要
プログラマーは、英語で書かれたコードを読んだり、海外から発信される技術情報を目や耳で聞いたりすることが多いため、英語力の中でも「読む(リーディング)」「聞くリスリング)」が特に必要となります。
また、オフショア開発※など行っているグローバルなIT企業では、開発チーム内に海外メンバーがいることも多く、英語で会話やメールをすることがあります。そうした環境では「話す(スピーキング)」「書く(ライティング)」の英語力が求められることもあります。
TOEICスコアが求められることもあり
以下のような企業に就職する場合、プログラマーであっても一定水準のTOEICスコアが必要になることがあります。
- 外資系IT企業
- グローバルなIT企業(社内の公用語が英語の企業)
- 大手企業 など
極端な例ではありますが、楽天株式会社では、入社する上でTOEICスコア800点以上が求められます。エンジニア職やプログラマー職の中途採用であっても、楽天株式会社ではTOEICスコア800点(もしくはそれ相当の英語力)が条件に掲げられています。
ただし一方で、TOEICスコアが条件となっていない求人もプログラマー職であれば多いです。特に中小のIT企業や国内中心で開発を行っている企業であれば、TOEICスコアは必須条件となっていることが多いですのでそこは安心してください(ただしあるに越したことはない)。

プログラミングで英語力が必要な理由

プログラミングはパソコンで行う作業ですが、なぜそこに英語が絡んでくるのでしょう。
プログラミングを行う上で英語力が必要な理由には、以下の3つがあります。
- ソースコードが英語で書かれている
- エラーメッセージが英語で書かれている
- 最新の技術情報は英語で公開されることが多い
以降では詳細を解説します。
ソースコードが英語で書かれている
プログラミング言語のソースコードで使われる構文や関数などは、どのプログラミング言語であっても基本的には英語が用いられています。
たとえば、以下はプログラミングにおいて代表的な構文ですが、英語の意味がわかっていれば、どのような処理をしているかをイメージしやすくなります。
- if文(もし~ならの条件分岐)
- switch文(分岐処理)
- get(データを取ってくる)
- create(◯◯を作れと指示をだす) など
反対に英語がわからないと、ただでさえ最初は呪文のようでわかりにくいソースコードが、より難解なものに見えてしまい、スムーズに学習が進まないこともあります。
エラーメッセージが英語で書かれている
一発で完璧なプログラムが完成することはまずなく、プログラミングはエラーとの戦いでもあります。プログラミングを行い、動作させ、エラーが見つかれば原因を突き詰め修正する、この繰り返しです。
プログラムにエラーが見つかった場合、エラーメッセージが表示されますが、通常メッセージは英語で表記されています。また、インターネット上などに公開されているエラーメッセージ毎の対処法ノウハウなども、海外が発信元であり英語で表記されていることが多いです。
こうしたことから、英語力があればエラー内容をスムーズに理解し解決することができます。反対に英語力がなく、エラーメッセージもよくわからないので無視し、手探りで修正しようとすれば途方もない時間が掛ることもあります。それだけエラーメッセージには、解決のための大切なヒントが書かれており、エラーメッセージとしっかりと向きあえるかもプログラマーとしての手腕が問われるのです。
最新の技術情報は英語で公開されることが多い
こちらは、いずれプログラマーとして働く上で関係してくる話です。
プログラマーのようなITエンジニア職は、技術が武器となる職種ですので、どんどんと新しくなるIT技術のトレンドを追い、最新技術を抑えておくことが第一線で活躍するためには重要になります。
そして、IT関連の最新情報というのは、海外が発祥となることが多く、その場合、技術情報も英語で書かれていることになります。
翻訳機能である程度カバーすることもできますが、正確な情報をすばやく入手するには、やはり翻訳機能に頼るよりも、英語力をスキルとして身に着けていたほうが効果的です。
英語力があれば、よくわからない部分、もっと知りたい部分などを英語で質問したりもできるようになるため、より深入りした知識を得られることもあります。
英語力がまったく無くてもプログラミングを行えるのか?

最後にプログラミングを行う上で、英語が本当に必要であるかについて触れます。
極論をいえばプログラミングを行う上で、英語力は必須ではありません。英語力がなくてもプログラミング自体は行えます。
プログラミングは英文を書くわけではありません。プログラミングを行う上での細かなパーツに英語が用いられているだけであるため、英語を知らなくてもプログラミングを理解することは可能です。
身近な例をあげれば、電化製品のリモコンに「OF」や「OFF」の表記がありますが、ONやOFFの英語の意味を知っていればすぐに操作イメージがつきますが、知らなくてもリモコンはいずれ操作できるようになります。プログラミングもいってみればそのような話です。
英語力があれば、プログラミングの理解もスムーズになり、上達も早まりやすいですが、必ずしも英語力がないとプログラミングが行えないというわけではないのです。
英語力は必須ではないがあったほうが心強い

以上、プログラミングで英語力がどのくらい必要かについて解説しました。
プログラミングにおいて高度な英語力は必要なく、たとえ英語力ゼロでもプログラミング自体は行えます。ですがなにかと英語があると便利な場面が多いですので、できれば日常レベルの英語力はあったほうが心強いといえます。
また、将来的にオフショア開発を行っているIT企業など、英語が多用される職場環境でプログラマーとして働こうと考えている方は、いずれ相応の英語力が求められることがありますので、プログラミングの勉強と並行し、英語力も身に着けておくのがよいでしょう。