一口にITエンジニアと言っても、そこには様々な職種が存在します。
IT業界への転職を考えるとき、自分がどんなエンジニアになりたいのかを意識することは非常に重要です。
面接でも未経験の方は「何が出来るか」ではなく、「何をしたいか」が問われることが多く、ITエンジニアがどのような仕事なのかは知っておかなければいけません。
この記事では、未経験者がIT業界への転職を目指すべき理由と、オススメの職種を解説します。
IT業務未経験からエンジニアを目指すべき3つの理由
そもそも、IT業界に未経験者が叩ける門戸があるのでしょうか?
企業が中途採用を行う場合、「なるべく即戦力の人材が欲しい」という思いが介在するのは世の常です。
しかし、業界経験者を新規採用することには一定のリスクも付いてまわります。
例えば、「転職を繰り返しているため、辞め癖がある」、「前の職場で染みついた手癖で仕事をしてしまい、新しい職場でのルールを守ってくれない」といったリスクが挙げられます。
もちろん、業界未経験者を雇用するリスクもありますが、将来的な成長が期待されているため、誠実さや向上心の高さをアピール出来れば、それらはちょっとした経歴があるよりもはるかに強い武器になります。
ここでは、IT業界未経験者がこれからITエンジニアを目指すべき3つの理由について解説していきます。
業界未経験可の募集が多い
まず、IT業界において、業界未経験者を可とする募集は決して少なくありません。
もちろん、経験者のみを募集している企業も多くありますが、そうした企業はたいてい人手不足が原因で募集を行っています。
それに対して、未経験者を可とする企業は、少なくとも初めの数ヶ月は戦力にならない人材を雇用し教育できる余力があるとも考えられます。
そうした企業との面接時に、既にプログラミング等の勉強を始めている、ということがアピール出来れば益々の強みになるでしょう。
業界の人材不足が深刻
日本のIT業界は常に人材不足が深刻に叫ばれています。
ただし、これはニュアンスが少しばかり曲解されていて、実際には「優秀なエンジニアが不足している」という意味になります。
ITエンジニアを名乗る人の中にも、プログラミング自体が苦手な人や、逆にプログラミングしか出来ない人が大勢います。
しかし、時代が進むにつれてITエンジニアは「何でも出来る人」が求められるようになってきました。
その一方で、技術は捨ててプロジェクト全体のマネジメントに徹する役割や、技術に特化して最新技術をキャッチする役割も重要になっています。
そして、業界に不足している「優秀なエンジニア」を埋める役割を担えるポテンシャルが未経験者にはあります。
自分がなりたいエンジニア像を明確にすることで自然と収まるべきポジションに収まっていけるでしょう。
ただし、「人材不足なら未経験者でも重宝されるかも」という考えを持つのは危険なので注意してください。
20代のポテンシャル採用が積極的
10代からプログラミングの勉強を始めている人がいることを思うと、「20代からのスタートでは遅いのでは」と考える人もいるでしょう。しかし、決してそんなことはありません。
IT業界における20代は「まだまだ若手」です。
IT企業の多くは20代未経験者の採用を積極的に行っており、20代の若手社員は入社後の成長をまだまだ期待されているのが実情です。
「プログラマー35歳定年説」という言葉もありますが、30代未経験でIT企業に採用されるケースも決して珍しくありません。
それを考えれば、20代未経験者の持つポテンシャルは語るまでもありません。IT業界に興味がある方は、今すぐにでも転職に向けた準備を始めることをオススメします。
IT業界未経験者から転職できるオススメの職種5選
ここまでIT業界未経験の方がエンジニアを目指すべき理由について解説してきました。
ここでは、ITエンジニアの職種の中でも未経験者にオススメの職種を5つご紹介します。
WEBエンジニア
WEBエンジニアは、ITエンジニアの中でも比較的若いエンジニアが多い職種です。
Webで展開されるECサイトなどのサービスや、アプリケーションの開発を担うエンジニアです。
実際には、開発だけでなく設計、保守、テスト、運用といった幅広い業務を行うことになります。
これに対して、オープン系と呼ばれるシステムを開発するエンジニアもいますが、Windows上で動かす業務用アプリケーションに携わることが多く、求められる作業内容も古いシステムの不具合修正といった内容が多く、エンジニアの年齢層は高めです。
未経験からエンジニアを志すのであれば、WEBエンジニアはオススメの職種の1つと言えます。
フロントエンドエンジニア
フロントエンジニアは、WEBエンジニアから派生してできた職種です。
フロント、つまりはWEBページをユーザが開いたときにパッと目に映る部分の開発を担当します。
近年では、WEBページをスマホから閲覧する機会も増えたため、レスポンシブなデザインの設計を担ったり、UI/UXを意識した開発が求められるようになりました。
コーディングは主にHTMLやJavaScript、CSSがメインですが、より高度なサイト構築を行う場合はフレームワークと呼ばれる「機能の集合」を使う機会もあります。
サーバーサイドエンジニア
サーバーサイドエンジニアは、「バックエンドエンジニア」と呼ばれることもあります。その名の通り、フロントエンドエンジニアに対して表裏一体となる職種です。
一般的なECサイト等では、ユーザがWEBページに何かしら入力を行うたびに見えない部分で通信が行われています。
例えば、会員登録を行ったWEBサイトにログインしようとして、間違った情報を入力すると「ログインに失敗しました」と表示されます。これは、入力した情報をもとにデータベースへの問い合わせを行ったところ、「そんな情報は登録されていません」という返答が戻ってきたことを意味しています。
こうした制御を構築するのがサーバーサイドエンジニアの役割です。
他にも、サーバー、データベース、セキュリティ等の構築や、運用保守といった役割を担うこともあります。
また、人員が少ないプロジェクトの場合は、フロントエンドエンジニアの役割も兼ねることもあります。
テストエンジニア
規模の大きいプロジェクトでは、テストを専門に行うテストエンジニアという職種が活躍します。
完成したプログラムが正常に動作するか(不具合がないか)、仕様書と呼ばれる様々なテストパターンが網羅された資料をもとに確認する工程を行います。
プログラムの製造に直接関わる作業ではありませんが、このテストを行わずにサービスをリリースする企業は存在せず、製品の品質やセキュリティにも関わる非常に大切な作業です。
経験豊富なテストエンジニアの場合、開発担当者が見逃していたテストパターンを提案し、不具合の見逃しを未然に防ぐこともあり、現場からは重宝される存在となっています。
インフラエンジニア
インフラエンジニアは、上記4つの職種に比べてやや高度で専門的な知識が要求される職種です。
インフラとは、WEBサービスを展開する上で重要な基盤となる「サーバー」や「ネットワーク」のことを指します。
インフラエンジニアは、こうしたサーバーやネットワークの設計・構築から運用保守といった役割を担うことになります。以前のようにオンプレミスと呼ばれる物理サーバーを運用する機会は少なく、近年ではAWSに代表される仮想サーバーを運用することが多いです。
未経験からインフラエンジニアを目指す場合は、関連資格も充実しているので、資格取得を目標にするとよりモチベーションも上がることでしょう。
IT業界への転職を考えるならキャリアアドバイザーへの相談がオススメ
IT業界に転職する準備を進めようと思っても、まず何から始めればいいのか迷ってしまう方も多いでしょう。自分がどのエンジニアに向いているのか、自分では判断に迷うこともあるかもしれません。
そのような場合は、知識豊富なキャリアアドバイザーに相談してみることをオススメします。
自分ひとりで求人を眺めているだけでは、そこが本当に自分の望む職場なのかわかりません。
キャリアアドバイザーは数多くの未経験者をIT業界に送り出した実績があるため、企業が望む人材と、人材が望む企業とを結びつけてくれます。
適性について悩む場合も、まずは興味のある職種について相談してみるところから始めてはいかがでしょうか。