IT業界を目指す未経験者が、プログラミングを学び始めると多くの壁に苦労することがあります。
その一つがプログラミングのコードが英語で書かれていることです。
英語で書かれたコードを目の当たりにしたとき、未経験者は「英語が分からない」と立ち止まってしまいがちです。
しかし、IT業界で働くエンジニアに、英語力は必要なのでしょうか?
今回は、「未経験からITエンジニアになるためには英語力が必要なのか」を中心に、「英語力が必要と言われる理由」や「英語を習得するメリット」について解説していきます。
ITエンジニアになるには英語が必要?
結論から言うと、プログラミングを学ぶ上で、英語を読み書きできる能力は全く関係ありません。
もちろん、英語ができるに越したことはありませんが、プラグラミングで重要なのは英語の能力ではなく「コードを書くこと」です。
使われている英単語の意味を知る必要はなく、ただ「記号」として使い方をマスターするだけでプログラミングは十分できます。
しかし、「学校で英語の勉強が始まった時からずっと苦手意識がある」という方や、「アルファベットが並んでいるのを見るだけで具合が悪くなる」といった方は注意が必要かもしれません。
IT業界への転職を考えた場合、英語力はそこまで必要ないにせよ、英語に触れる機会は少なからずあるためです。
また、英語力は必須ではありませんが、英語ができることで得られるメリットは様々あります。
IT業界で英語力が必要と言われる理由とは?
一般的なIT企業に勤める場合においては、英語力が必須となることはほとんどありません。しかし、IT業界において英語力が必要と言われる場合は確かにあります。
ここでは、IT業界で英語力が必要と言われる3つの理由について解説します。
英語で書かれたドキュメントを読む必要がある
IT業界で英語力が必要と言われる理由の一つは、ITエンジニアは仕事をする上で英語で書かれたドキュメントを読む必要があるからです。
単純にプログラミング言語を習得するためにインターネットで情報を収集をすると、日本語で解説されたページが多く見つかります。
しかし、実際にIT業界にエンジニアとして就職し、新規の開発もしくは不具合の修正などを依頼されると、プログラム上で用いられているフレームワークなどの公式資料を読まなければならない場面があります。
この公式資料は、日本語化されていないことが多く、そこに書かれた英語の文章を自分の力で読み解かなければいけないのです。
とはいえ、今では翻訳機能が発達しています。そういった機能を活用すれば、自分の力だけで長文英語を翻訳する必要はないので、そこまで憂慮することではありません。
プログラミング言語を扱う上で有利
現在、IT業界で利用されているプログラミング言語のほとんどは英語ベースです。
日本語を含む英語以外の言語をベースにしたプログラミング言語も存在はしていますが、プログラムの開発現場で目にする機会は全くないと言っていいと思います。
もちろん、英語ベースといっても英文法が理解できないと習得できないという話ではありません。
基本的な構文は簡単な英単語が理解できれば十分です。
英語ができると国際的な活躍ができる
もしもITエンジニアとしての活躍の場を海外に広げたいと考えた場合は、通常よりも高い英語力が求められます。
ネイティブ話者の方々と英語を用いてビジネスを発展させていかなければならないので、これは当然のことと言えます。
ハードルの高い話に聞こえますが、ITエンジニアの価値は日本よりも海外の方が高いというのは有名な話です。
現時点でそこまでの英語力を身につけるのに時間がかかるという方は、まずは日本のIT企業もしくは外資系企業で国内勤務をしつつ英語の勉強を進めていくのがオススメです。
ITエンジニアが英語を覚えるメリットとは?
ITエンジニアとして働くことで必ずしも英語力が求められるわけではありません。
しかしながら、高い英語力を持つITエンジニアになると様々なメリットがあります。IT業界でより高い技術を持つエンジニアとして活躍したいという方は、英語を勉強して損になることは決してありません。
ITエンジニアが英語力を習得するメリットは以下の3つです。
- 最新情報をいち早くキャッチできる
- 業務の効率化に繋がる
- キャリアアップが可能になる
最新情報をいち早くキャッチできる
IT業界に関連する技術的な最新情報はアメリカを中心とした海外で発表され、そのほとんどが英語で発信されています。
英語で書かれたテキストを読めるだけで、英語が読めないエンジニアよりも早く最新情報を知ることが出来ますし、最新技術を扱えることはそれだけでエンジニアとしてのバリューアップに繋がります。
IT業界は、流行の変化が激しい業界です。流行りの技術を知っているだけで、職場内外に問わず好印象を与えることができます。
業務の効率化に繋がる
先に説明した通り、IT業界で利用されているプログラミング言語のほとんどは、英語で書かれています。
翻訳機能を用いれば一瞬で日本語として読めるようにはなりますが、誤訳があったり細かいニュアンスが伝わりにくいことが多々あります。
そういった部分を自分の英語力だけで翻訳することができれば、ドキュメントを読む時間を短縮でき、業務の効率化が図れるというわけです。
キャリアアップが可能になる
英語力があることは、ITエンジニアとして海外進出を予定している場合はもちろん、日本のIT企業に勤める場合でも大きな強みとなります。
持ち前の英語力で最新情報をいち早くキャッチし、業務の効率化を図ることができれば自社の貢献に繋がります。そこで高い評価を得られれば、キャリアアップを目指すこともできます。
さらに、海外のエンジニアとコミュニケーションが取れれば、情報交換が可能になるだけではなく、そこから次の仕事に繋がることも考えられます。
英語ができなくてもIT業界に未経験で転職は可能?
IT業界とは全く別の業種で働いている人にとって、未経験からITエンジニアを目指すことに不安を抱く人も多いでしょう。さらに、プログラミングの勉強を始めると英語ができないことで感じる壁はさらに大きく感じるかもしれません。
しかし、英語ができなくても未経験からIT業界に転職できた人は数多く存在します。
IT業界の需要が高まっている今、未経験で英語ができなくても、ITエンジニアになることは可能なのです。
未経験からIT業界に転職するための3つのルート
ここでは、未経験者がITエンジニアを目指す際の3つのルートについて解説します。
ITエンジニアを目指すなら、目標を明確にし、道筋を立てて目的へと向かっていきましょう。
プログラミングスクールに通う
一つ目のルートとしては、プログラミングスクールに通うという方法があります。
プログラムについて基礎から学ぶことができ、分からないことがあればその場で聞けるという強みもあります。
また、プログラミングスクールによっては、卒業者向けに就職支援を行ってくれている場所もあります。
独学で学習する
次に、独学でプログラミングを学ぶという方法があります。
初心者向けの入門書やオンライン講座を活用して、興味のあるIT技術を学んでみましょう。ただし、独学では「何をどこまで勉強するか」といったゴールの線引きが難しく、現場でのチーム開発に関する知識が学べないというデメリットがあるため注意が必要です。
転職サイトを利用して現場で学ぶ
3つ目のルートとしては、未経験者を募集している企業に実際に転職してしまう方法があります。
これは、一見無謀なことだと感じるかもしれませんが、実は一番堅実で確実な手段です。
もちろん、プログラミングの基礎知識を理解しているというのは前提条件になりますが、ある程度理解が出来てきたら思い切ってIT業界に飛び込んでみて、細かいことは現場で学ぶという方法が非常に効率的です。
この際、IT業界に精通している転職エージェントを活用すると転職がスムーズにいきやすいです。
未経験ITエンジニアにとっての英語力とは?
将来的に市場価値の高いエンジニアを目指す場合、英語力はスキルの1つとして大きな強みになります。
しかし、これからIT業界で働きたいと考えたとき、高い英語力は決して必要ではありません。
IT業界を目指す未経験者がまずやるべきことは、英語力よりもプログラミングの基本となる知識をつけることの方が重要です。
まずは将来自分のなりたい姿をイメージし、どのプログラミング言語を学ぶべきなのか検討することから始めましょう。
IT業界に精通している転職サービスを活用すると、専門家からアドバイスを貰うことが可能です。IT業界への転職で分からない点や不安な点がある場合は、一度そういったサービスを活用してみてはいかがでしょうか。