IT技術が日々進化する中、ITエンジニアの存在感は高まっています。
未経験からITエンジニアを志す人が増える一方、「苦労が多くて大変そう・・・」と一歩踏み出せない人も多いようです。
ITエンジニアは、「なりたい」と思うだけで簡単になれるほど甘くありません。しかし、きちんと準備することによって、壁は乗り越えることができます。
この記事では、未経験からITエンジニアを目指す人が苦労する5つの壁と、その乗り換え方についてご紹介します。
未経験エンジニアが苦労する5つの壁
未経験からITエンジニアを目指す人が苦労する5つの壁をご紹介します。
壁1|プログラミングスキルの習得が大変
プログラミングスキルは、ITエンジニアを目指す人が最初に身に付けるべき能力です。
未経験者の多くは「プログラミングが完璧にできるようにならなきゃ・・・!」と意気込みがちで、それゆえ「苦労しそう」と感じる人が多いかもしれません。
では現役ITエンジニアが完璧なプログラミングスキルを持っているかというと、実はそうでもありません。プログラミング言語やIT技術は日々進化しているものですから、現役エンジニアであっても知らないことはそこそこ多く、必要に応じて調べるのが普通です。
では未経験者と現役ITエンジニアとで何が違うかと言えば、それは「多分こうなるだろう」という予測の引き出しの多さです。ITエンジニアはその経験から、知らない知識が出てきても予測して答えを導き出す能力を持っているのです。
未経験者がプログラミングスキルを習得する意味は、この予測の引き出しのベース、基礎を作ることです。
したがって「すべてを完璧に覚えよう」とは考えず、「プログラミング言語ってこんなものなんだ」と理解を深めることが重要です。
時間があるなら複数のプログラミング言語を学習し、それぞれの違いを抑えておけば、さらに知識が深まります。
壁2|すぐに成果に繋がらない
苦労してITエンジニアになったとき、そこはゴールではなくスタート地点です。
現場に入ってみたものの、学習した知識が生かせない、評価してもらえないことに対し、壁と感じるかもしれません。
でもそれは当然のことです。1か月かそこらで成果が出るほど、ITエンジニアは甘い仕事ではないのです。
数か月から1年、あるいはそれ以上の時間をかけて業務を着実にこなし、小さな成果をコツコツと積み上げていくことが実績に繋がります。特にクライアントからの信頼を勝ち取るためには、そこそこ時間が必要です。
すぐに成果に繋がらないからと落ち込まず、「そういうものだ」と長いスパンで考えましょう。目には見えなくても、実績は確実に積まれているものです。
壁3|コミュニケーションが少ない
プログラミングや設計などの1人作業のデスクワークが多いITエンジニア。職場で業務をこなす際には、かなりの集中力を使っています。
人によっては口数が異様に少なくなるため、未経験からITエンジニアになった人は「コミュニケーションが少ない」と感じてしまうかもしれません。
また、ITエンジニアの中にはコミュニケーション自体が苦手という人も一定数存在するため、必要以上に会話をしたがらない人もいます。リモートワークになれば、なおさら会話は減る傾向にあります。
コミュニケーションが少なくて不安を感じたなら、チャットなどのテキストで話しかけてみるとよいかもしれません。口下手な人でも、テキストコミュニケーションでは案外打ち解けてくれたりします。
ITエンジニアにもいろいろなタイプの人がいるので、角度を変えて自分からコミュニケーションを取ってみるとよいでしょう。
壁4|初めから高収入なわけではない
一般的に「ITエンジニアの収入は高い」と言われています。
経験を積んだITエンジニアが平均収入より高いのは事実ですが、未経験からITエンジニアになった人が同じように高収入なわけではありません。
アルバイトの研修期間は通常の時給より安く設定されますが、未経験から転職した人も同じようなことが言えます。実績もない人が、高収入を貰えるわけはないのです。
収入は、実績とスキルに比例して上がっていきます。高収入を目指すならITエンジニアとして現場に入り、業務を着実にこなしていきましょう。
壁5|客先常駐(SES)がほとんど
ITエンジニアの就業形態には、大きく分けて3種類あります。
自社開発
自社開発はその名の通り、自社が運営するシステムやアプリケーションを自社内で開発する形態です。要件定義から設計、開発、テストまでをすべて自社内で行います。
受託開発(SIer)
受託開発は、外部システムを受託開発で請け負う形態で、「SIer」とも呼ばれます。要件定義から開発、運用保守まで、システムに関わるあらゆる業務を依頼に応じて請け負います。受託開発では基幹システムなどの大規模なものが多く、開発メンバーの数も必然的に大規模になる傾向があります。開発メンバーの中にはSES契約のエンジニアが多く含まれます。
SES
SESはシステムエンジニアリングサービスの略で、クライアント企業に常駐して働く形態です。いわゆる下請け的な役割を担っているため、給料は低めに設定されていることが多いです。
未経験者はSESになることが多い
自社開発や受託開発を行うためには、それなりのスキルや実績が求められます。そのため、未経験のITエンジニアの多くは、SES契約でクライアント企業に常駐することが多いです。
業務内容や勤務場所をある程度選択する余地があるという意味で、SESは働きやすいと言えます。一方で、給与が低い、自社の人がいないと質問しにくい、派遣社員と待遇に差がないなどのデメリットもあります。
ただ、実績のない未経験エンジニアは、仕事を選んでいる場合でもないのが現実。仮にSESに配属された場合には、目標を達成するための過程と前向きに考え、目の前の業務を着実にこなしていきましょう。
なお、ブラックな職場環境の場合には心身を壊す危険があるので、早急に対処が必要です。
壁を乗り越えるために今からすべきこと
さまざまな壁をご紹介してきましたが、事前に情報をしっかり収集して準備しておけば、壁を十分に乗り越えることが可能です。転職前にしておくべきことを3つご紹介します。
ITエンジニアとしてのキャリア目標を決めておく
転職活動が終わって晴れてITエンジニアになったときに備えて、キャリア目標を考えておきましょう。
目先のことにばかり捉われていると、「ITエンジニアになること」自体が目標になってしまいますが、大切なのはその先です。
1年後、2年後、5年後の近い将来、自分がITエンジニアとしてどうなっていたいかを現実的に考えておくことが大切。そして、その目標のために何が必要かを逆算して考え、実践していくのです。
キャリア目標を定めておかないと、ITエンジニアに転職できたとしても「こんなはずじゃなかった」と感じるかもしれません。地に足の着いた具体的な目標を定めておくことで、理想と現実のギャップが減り、壁と感じることが少なくなります。
新しい知識を吸収する向上心を持つ
日々進歩するIT技術に対応するため、現役ITエンジニアは常に情報収集をして新しい知識を吸収しているものです。
それは未経験からITエンジニアになった人も同じ。ITに関する情報を日常的に収集し、知識を貪欲に吸収する向上心を持ちましょう。
最新のニュースなどは、打ち合わせ時の雑談で話題に上がることがあります。トピックとして知っていることで会話が弾めば、クライアントとの距離がぐっと近づき、交渉を有利に進められる可能性もあるのです。
いつ誰に話を振られても対応できるように知識を蓄えておけば、ITエンジニアとしての強みになります。
転職に向けてポートフォリオを作成する
プログラミングスキルを身に付けたあとは、どれほど頑張って学習したか、その成果をポートフォリオとして残しましょう。
未経験でたとえ実績がなくても、学習成果としてのポートフォリオのクオリティが高ければ、評価に値すると判断されるのです。
また自分でアプリケーションを開発するということは、単にプログラミングができるだけでなく、要件定義や設計、運用の経験や能力があることを示せます。これは転職で大きなアピールポイントになります。
「未経験の壁」を乗り越えて稼げるITエンジニアへ!不安なことはご相談ください
未経験からITエンジニアになるためには、さまざまな苦労を乗り越えなければなりません。
不安に感じることは多いかもしれませんが、あらかじめ情報収集をして準備することで壁を乗り越えることは十分可能です。
目標をしっかり見据え、一歩ずつ着実にITエンジニアに向かって歩みを進めましょう。
当社は未経験エンジニアに特化した転職サービスです。不安なことはお気軽にご相談ください。