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ITエンジニアは「うつ病」やメンタルに不調を抱える人が多い、その原因はなに?

うつ病を含む気分障害を抱える患者は年々増えており、身近な病となってきています。

うつ病はさまざまな職業、年代の人が患っていますが、とくにITエンジニアはうつ病になる人が多い職業であり、うつ病が原因で休職や退職をするエンジニアも少なくはありません。

さて、なぜITエンジニアはうつ病が多いのでしょう。ITエンジニアとうつ病の関係、うつ病になる原因などについて解説していきます。

目次

ITエンジニアにおける「うつ病」の現状

ITエンジニア うつ病

ITエンジニアはうつ病になりやすいといわれますが、実際にどれくらいの人がメンタルに不調を抱えているのでしょう。

ITエンジニアのうつ病患者数が具体的に何人かというデータは集計されていないため、ここでは関連するデータを紹介していきます。

約6割が「こころの病」を抱える

IT系技術サイト大手『日経xTECH(ITpro)』は、総計627人の読者に対して「ITエンジニアのメンタルヘルスに関するアンケート」と題した調査を過去に行っています。

アンケートの結果、以下のような傾向が確認されたようです。

  • 「自分が『こころの病』だと感じたことがあるかどうか」を聞いた結果、「感じたことがある」と答えた人の割合が61.4%(約6割)にも上った
  • 「医師からうつ病や神経症(ノイローゼ)、心身症などの『こころの病』であると診断されたことがあるかどうか」も聞いた結果、「『こころの病』と診断されたことがある」と答えた人が28.2%(約3割)にも上った

このように、こころの病だと感じている人が回答者全体の約6割、実際にこころの病と診断された人が約3割という結果となり、メンタルに問題を抱えている人が多いことがうかがえます。

また同アンケートでは、回答者の職種の傾向も集計しています。特に以下のような職種に、こころの病と診断された人が多いようです。

こころの病と診断された人が多い職種
  • 保守/サポート
  • プログラマ
  • マーケティング/営業

休職者の割合

厚生労働省「令和3年 労働安全衛生調査(実態調査)結果」では、各業界での、メンタルヘルス不調による休業や退職の状況について集計しています。

この調査の中で、IT業界を指す「情報通信業」の集計結果は以下のようになっています。

  • 情報通信業にて、メンタルヘルス不調により、「連続1か月以上休業した労働者」がいた事業所は、全体の26.7%(全17業界中ワースト2位)
  • 情報通信業にて、メンタルヘルス不調により、「退職した労働者」がいた事業所は、全体の11.7%(全17業界中ワースト1位)

休業した労働者の割合は全業界でワースト2位、退職した労働者の割合はワースト1位を記録しており、他業界から比べてもメンタルヘルスに不調を抱えている人が多いことがうかがえます。

日本のうつ病の患者数

日本全体のうつ病患者数は、厚生労働省の「精神疾患を有する外来患者数の推移(疾患別内訳)」にて、124.6万人と報告されています(2017年時点における気分障害(躁うつ病を含む)の患者数データより)。

124.6万人ということは、日本の人口を1億2000万人として、約100人に1人がうつ病などの気分障害を患っているということになります。診察を受けていない水面下のうつ病患者も含めれば、数はさらに多くなるでしょう。

他にも、日本では生涯で100人中約6人がうつ病を患うという調査データもあります(世界精神保健日本調査セカンド調べ)。

ITエンジニアにうつ病が多い原因は?

ITエンジニア うつ病

それではなぜITエンジニアはうつ病を患ってしまうことが多いのでしょう。うつ病が発病する要因は人それぞれであるものの、いくつか考えられる原因もあります。

ここではITエンジニアやIT業界ならではの、うつ病の原因となりえる事柄について解説します。

長時間残業によるオーバーワーク

ITエンジニアは残業の多い職業です。とくに納期前などの忙しい時期になれば、月の残業時間が100時間以上となる現場もあります。

またサーバー構築作業、運用保守、障害対応のような仕事では、日中ではなく深夜に作業を行うこともあり、日夜逆転の日々が続くこともあります。

肉体疲労や身体的ストレス、生活リズムの乱れなどはうつ病の発症に影響するともいわれています。つまり長時間残業や深夜労働を繰り返しているITエンジニアは、うつ病になりやすい身体ができあがっているともいえるのです。

人間関係のストレス

ITエンジニアは、以下のような「人間関係」面のストレスが生じやすい職業です。

  • 毎日同じフロアで同じようなチームメンバーと働くため、合わない人がいると常時ストレスを感じやすい
  • 顧客や上司から、無理難題な要望を突きつけられることもある
  • 「SES」のような顧客先常駐型の働き方となると、顧客と近い位置で働くことになるため、気疲れしやすい
  • 人間との対話が少ない現場もあり、PCと向かい合う日々を続けると精神的に病むケースもある  など

ITエンジニアの仕事は組織やチームで進めるのが基本です。そのためチームメンバー、顧客、上司部下など、周囲の人間と関わることも多く、周囲から心理的な影響も受けやすい職業です。

営業職などのように対話する相手が毎日変わるわけではなく、基本的にはおなじチームメンバーや顧客と仕事をすることになりますので、相性の悪い人が周囲にいると積もり積もって大きなストレスとなることがあり、うつ病のような状態になってしまう人もいます。

太陽の光に当たる時間が少ない

ITエンジニアはオフィスワークが基本であり、1日の大半は屋内で過ごします。またサーバーの構築作業や保守作業などは、窓すらないデータセンターのサーバールームで行うこともあります。

人間は日光を浴びることで、脳内でセロトニンという「覚醒ホルモン」が分泌され、それがやる気や活力の源ともなっています。

しかしITエンジニアとして働き日光を浴びる機会が減るとセロトニンも不足するため、精神的なバランスが乱れ、うつ病を発症しやすいメンタルとなってしまうことがあるのです。

キャリアやスキル面の不安

ITエンジニアは常に新しい技術を追う必要があり、いくつになっても「学び」を続けなければなりません。

しかし人は年齢を重ねる毎に、若い時と同じような学習意欲をキープするのは難しくなるものです。

そうしたことからエンジニアとしての能力的な限界を感じるようになり、漠然とした将来への不安やストレスを抱える中堅エンジニアも少なくはないようです。いわゆる「ITエンジニア35歳定年説」ともいわれます。

「適性」の影響によりストレスも変わる

ITエンジニア うつ病

最後に、仕事というのは日々携わるものであるため、合う合わないの「適性」も、満足度やストレスに影響してきます。とくにITエンジニアの場合、専門性が高い職種ということもあり、適性による影響が大きく出やすい側面があります。

たとえばプログラマーを例にすると、プログラミングが性に合っている人であれば、何時間プログラミングを続けても、生活の一部のようなもので、何も負担を感じないという人もいます。

一方でプログラミングの適性が乏しい人ですと、簡単なプログラムを書くだけでも疲労感がたまり、それを繰り返しているうちに、プログラムをみるだけで憂鬱な気分となってしまう人もいます。

そのようにITエンジニアは、自分の適性次第で、同じ仕事であっても掛かるストレスの大小が変わってきます。

そのため、もし未経験でITエンジニアに就職、転職を考えている方は、適正診断やキャリアアドバイザーによる個別キャリアカウンセリングなどを受け、自分にエンジニアとしての適性があるのかもチェックしておくことも大切です。

ITエンジニアがうつ病になりやすいことは頭においておこう

ITエンジニア うつ病

以上、ITエンジニアとうつ病について紹介しました。

もちろんITエンジニアが全員うつ病を患っているわけではなく、これが自分の天職だといわんばかりにストレスなく毎日活き活きと働いているエンジニアもいます。

しかし一方で、仕事内容、人間関係、キャリアなどに悩み、毎日うつのような状態で働いている人もいます。中にはなかなか症状が回復せずに何か月も休職が続いたり、仕事が続けられず退職をしてしまう人もいます。

そうしたメンタルに不調を抱える人が、ITエンジニアやIT業界には多く見られることは事実です。この仕事に転職を考えている方は、そのようなITエンジニアの負の面も頭におき、身構えておくことも大切です。

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この記事を書いた人

未経験エンジニアと企業をつなぐ|IT・WEB業界について発信|1,500名以上のキャリア相談|未経験エンジニアを育成サポート|高卒→病院勤務→大手通信営業→DMM .com Group|起業し法人設立|株式会社ホールハート参画し、未経験エンジニアのキャリア支援に従事

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