ITエンジニアは、不景気であっても関係なく働ける、そして「稼げる」仕事とあって、いま最も人気の仕事の1つです。
ITエンジニアになるためには、プログラミングを学習する必要があります。
そしてプログラミング学習には、大きく分けて3つの手段があります。
- 独学
- プログラミングスクール
- 未経験採用で企業内研修を受ける
この記事では、独学によるプログラミング学習にスポットを当て、勉強法やおススメのプログラミング言語についてご説明します。
プログラミング未経験。独学でもITエンジニアになれる!
プログラミング未経験者であっても、独学でITエンジニアを目指すことは可能です。
「でも、やっぱり独学って難しいんじゃないの?」と不安に感じている人も多いかと思いますので、ここでは、プログラミング独学のメリット・デメリットや具体的な勉強時間、勉強法、補助として利用できる学習サービスについてご紹介します。
プログラミングの独学のメリット・デメリット
プログラミングスキルを習得する手段として、独学のメリットとデメリットについて見てみましょう。
メリット
- 費用があまりかからない(テキスト代など)
- 自分のペースで進められる
一般的なプログラミングスクールは、受講期間(1か月~3か月程度)が決まっており、それに応じたカリキュラムがあります。
独学でプログラミング学習をするなら、スクールのカリキュラムなどを参考に大まかなスケジュールを立て、それに沿って進めていくとよいでしょう。
デメリット
- 分からないことがあっても質問できない
- モチベーションを維持できず挫折しやすい
独学の最大のデメリットは「質問ができない」ことです。
分からないことを質問するためにも、「未経験採用枠」を活用し、ITエンジニアとして企業に就職してしまうという方法もおすすめです。
一度企業に就職してしまえば、研修プログラムで詳しく学ぶことができたり、先輩に質問することも可能です。
プログラミング習得に必要な勉強時間
一般的に、プログラミングを独学で習得するためには「1000時間必要」と言われています。
1000時間と聞くと途方に暮れてしまうかもしれませんが、スキルは一朝一夕では身に付かないことを頭の隅に入れておきましょう。
自分で計画を立てて学習を進められる人であれば、半年、1年間と期間を決めて頑張れば、プログラミングスキルを習得できます。
ただ実際には、プログラミングを独学で始めた9割の人は挫折するとも言われており、モチベーションを保てるかどうかが勝負です。
独学の場合、途中で挫折することがないように…
- 同じ目的を持つ友人を作る
- メンターとなってくれる先輩を持つ
- 進捗を報告し合える仲間を見つける
など、できるだけ「人とのつながり」を持つようにしてください。
独学によるプログラミングの勉強法
独学でプログラミングスキルを習得するなら、まずメインとなるプログラミングのテキストを購入しましょう。
プログラミング講座のようなウェブサイトは数多くありますが、テキスト(本)に比べると知識量が確実に少ないです。
テキスト1冊を学習のベースとし、ウェブサイトや無料の動画教材、学習サービス(後述)を補助的な教材として使うことで、効率的な学習ができます。
テキストを選ぶ際は書評やクチコミなどを参考にし、「初心者向け」のものを購入するとよいでしょう。
初心者向けでないテキストを選択すると、出来ないことが多く挫折しやすくなってしまいます。
独学を助けてくれる学習サービス
オンラインのプログラミングサービスは、無料でもよくできているものが多く、独学をサポートしてくれます。
有名なところでは「progate」や「ドットインストール」などがあります。
テキストなどの教材と組み合わせて利用することで、プログラミングへの理解を深めることができるでしょう。
ただし注意しなければならないのは、学習サービスを最後まで進めても、あくまで初級レベルのスキルしか身につかない点です。「プログラミングができる」と言えるレベルになるためには、さらに深い学習が必要になります。
未経験者が学びやすいプログラミング言語
未経験者が学びやすいプログラミング言語についてご紹介します。
プログラミング言語の違い
プログラミング言語にはさまざまな種類がありますが、それぞれに書き方やルールが決まっています。
書き方の違いの例として、Java/PHP/Python/JavaScriptで「文字列を画面に表示する」プログラムの例を以下に示します。
Java:
System.println(“こんにちは!”);
PHP:
echo “こんにちは!”;
Python:
rint(“こんにちは!”)
JavaScript:
document.write(“こんにちは!”);
同じ処理を行っているにもかかわらず、言語によって全く書き方が違うことが分かります。
また、プログラミング言語によって大きく異なるのが「環境構築」です。
環境構築とは、実際にプログラミングを行うパソコンに、プログラムを動かせるように設定することを指します。
言語によっては環境構築が非常に面倒で、初心者の壁になる場合があります。
完全未経験者ならPHPとJavaScriptがおススメ
完全未経験からプログラミング言語を学習するのであれば、PHPがおススメです。
PHPはサーバーサイド言語でありながら環境構築が容易で、書き方や構造も非常にシンプルなのが特徴。初心者でも比較的簡単に習得することができます。
世界で最も利用されているCMS(コンテンツ・マネージメント・システム)である「WordPress」は、PHPで作られています。そのため、PHPを習得しておけば、ワードプレスに関する案件も請けることができ、仕事の幅が広がります。
PHPと並行して習得しておくとよいのが、JavaScriptです。最近は「フロントエンド言語」を取り扱う案件が増えていますが、比較的新しい業務領域のため、「できる人材」が不足しています。さらに、JavaScriptが使えればスマートフォンアプリを作ることもできるため、未経験者にとってはねらい目と言えるのです。
独学のプログラミング学習で陥りがちな落とし穴
実際にプログラミング教材を前にしてみると、「やっぱり難しい!」と感じることもあるでしょう。
実際に初心者が陥りがちな落とし穴を、いくつかご紹介します。
「英語が苦手なのでコードが書けない」
プログラミングのコードはすべて英語で書かれているため、初心者は「英語が分からない!」と立ち止まってしまいがちです。
しかし、実はプログラミングを学ぶうえで、英語を読み書きできる能力は全く関係ありません。もちろん英語ができるに越したことはありませんが、必須ではないので、エンジニアが英語に堪能である必要はないのです。
プログラミングで大切なのは、英語の能力ではなく「コードを書くこと」。使われている英単語の意味を知る必要はなく、ただ「記号」として使い方をマスターするだけでいいのです。
「エラーがたくさん出て怖い」
プログラムを勉強して頑張って書いて、いざ動かしてみると・・・高い確率でエラーが発生して、実行できません。
エラーが発生すると、未経験者は突然のことにパニックを起こしてしまうかもしれませんが、心配いりません。
現役エンジニアも、プログラミングの際には常にエラーと戦っています。プログラミングにエラーはつきものなのです。
プログラミング学習を行っていて、エラーが出て困ってしまったときの対処法は、ズバリ「検索すること」です。
エラーメッセージをそのままコピペして、Google検索してみましょう。初心者がつまずくようなエラーの場合、検索結果の中に解決方法が見つかることがよくあります。
「どこから手を付けていいかわからない」
プログラミングで学ぶことは非常に幅広いので、どこまで深く掘り下げようとしても学びつくせるものではありません。
「1から10まですべて習得する!」と考えるのではなく、学習はあくまで基礎を身に付けるためだけのもので、細かい内容は働きながら覚えればいいと考えましょう。
未経験者はまず「どのプログラミング言語を学ぶのか」を選ぶところからがスタートです。言語の種類は多く、ここで悩んでしまう人も多いはず。しかし大切なのは「どの言語を学ぶか」ではなく、「プログラミング言語を習得して何をやりたいか」です。
目的や目標が定まっていれば、やるべきこともおのずと決まってきます。
未経験者が独学でプログラミングを習得するには学習時間と努力が必要
未経験者がプログラミングを独学で習得するためには、それなりに長い学習時間と、学習を継続する努力が必要です。
目的や目標をもって独学を進めることで、ITエンジニアになる道が開けてきます。
市販のテキストや無料の教材、動画教材などをうまく使って、モチベーションを維持しながらプログラミング学習を進めていきましょう。