プログラミングを勉強してITエンジニアへの転職を考えている方もいらっしゃるかと思いますが、転職をする上で把握しておきたいのが「年収」面です。特に未経験転職では、前職より年収が下がってしまうケースも少なくありません。
当記事では、プログラミング未経験でプログラマーへ転職した場合の年収事情や、知っておきたい情報を紹介します。収入面で不安がある方はぜひご覧下さい。
ITエンジニア(プログラマー)の平均年収について
まず、プログラマー全体の平均年収について解説します。プログラマーの平均年収について、各職業系メディアでは以下のように集計されています。
ご覧のように、プログラマーの平均年収は426万円~440万円という結果になっています。
なお、一般的なサラリーマンの平均年収は約443万円(民間給与実態統計調査、令和3年度)であり、プログラマーの平均年収は一般平均より若干低い値となっています。
ただし、プログラマーはスキルによって年収が変わりやすい職業であるため、平均年収からかけ離れることもあります。たとえば高度なプログラミングスキルや特殊なプログラミングスキルをもつプログラマーであれば、年収1000万円を越えるケースもあります。
未経験のプログラマーの平均年収について
続いて、プログラミング「未経験」の人がプログラマーへ転職した場合の平均年収について解説します。未経験の場合は年収が低くなる傾向があるため、収入事情をよく理解しておきましょう。
未経験者の場合は年収250~300万円が目安
プログラミングスクールを運営する「インターノウス株式会社」の調査によると、プログラミングスクール卒業後の平均年収は約250万円~300万円という結果になっています。
また当社が独自に調査した結果、プログラミングスクール卒業後の平均年収は約250万円~300万円ほど。
引用:プログラミングスクール卒業後の初任給と年収は?将来のキャリアマップや卒業生の本音も暴露します
次に、プログラミングスクール「GEEK JOB」の調べによれば、未経験からプログラマーに転職した場合の初年度の平均年収は302万円という結果になっています。
GEEK JOBが過去1000名以上の学習・転職を支援してきた実績から導き出すと、完全未経験からプログラマーに転職した場合の初年度の年収は平均302万円となっていました。
引用:プログラマーの給料はいくらくらい?未経験からプログラマーになった場合のリアルなお給料も解説
こうしたデータから、プログラミングスクールで基礎を学んだ程度の未経験者ですと、年収は250万円~300万円程度を目安としておくのが賢明でしょう。
未経験の初任給は20万円~23万円程度
「求人ボックス」によれば、プログラマーの初任給は20万円となっています。「indeed」で求人を検索すると、初任給23万円前後の求人が多く見られます(首都圏エリア、完全未経験OKのプログラマー求人)。
なお、会社規模や業務内容によっては、未経験であっても初任給が25万円を越える求人も存在します。
未経験者がフリーランスとなった場合の年収は?
未経験者からフリーランスのエンジニアとなった場合の年収データは少なく、把握するのが難しい状況です。フリーランスではスキルや実績がよりシビアに問われるため、未経験者がフリーランスとなった場合、プログラミングの仕事自体を受注できないことも多いです。年収がゼロとなるケースもあります。
未経験者でもクラウドソーシング系のサービスを使い「各種マクロ・ツール作成」「Webページ作成・修正」などの簡単な案件を受注できることもあります。ただしこうした案件の報酬は、1案件当たり数千円~数万円程度となることが多く、年収で換算すると100万円以下となることもあります。
未経験ITエンジニアの年収において知っておくべきこと
ここでは未経験ITエンジニアの年収を考える上で知っておくべきことを紹介します。
1.ITエンジニアは残業代も加算されやすい
ITエンジニア職は残業が多い職業です。現場にもよりますが、リリース前などには毎日夜遅くまで残業が発生することもあります。残業代は通常の1.25倍の割増賃金が支払われるため、残業の多い現場であれば想定年収の1.2倍、1.5倍以上もの額が稼げることもあります。
2.プログラミング言語によって収入事情が変わる
プログラミング言語によっても年収は上下します。需要の高いプログラミング言語であれば、未経験者であっても待遇がよくなることがあります。
paiza株式会社が実施した「プログラミング言語に関する調査(2022年版)」では、各プログラミング言語の需要や平均年収についての調査結果がまとめられています。転職における言語別の平均年収ランキングでは、上位に「Scala」「TypeScript」「Go」「Python3」などがランクインしており、プログラミング言語によって平均年収に格差が生じていることがうかがえます。
3.仕事内容や業務によっても年収が変わる
プログラマー職といっても担当する業務はさまざまです。通常は難易度が高く、専門性が問われる業務ほど年収は高くなります。
たとえば「開発・設計」を行うプログラマーは年収が高くなりやすいです。未経験者が開発・設計チームに採用されることもありますが、選考のハードルは高く狭き門となります。
一方で「デバッグ・テスター」「運用・監視・保守」などの業務は、比較的難易度は低く、未経験者でも採用されやすいですが、その分年収は低くなりがちです。
4.スキルや経験を積めば収入も伸びる
ITエンジニアは技術が武器となる職業です。スキルや経験がシビアに問われるため、未経験で転職した際には、どうしても年収は低くなりがちです。
言い換えればスキルや経験を積むことで、いずれ年収の底上げを図ることができます。スキルや経験を積めば、キャリアアップの転職もしやすく、独立なども視野に入れられます。システムエンジニアやITコンサルタントなど別のIT職種へ転身する道も描けます。つまり転職時の初任給よりも、その後の努力のほうが重要になります。
5.都市部の方が平均年収が高め
東京、大阪、福岡などの都市部にIT企業は集中しており、給料水準も都市部の方が高めです。地方にいくと経験者であっても年収が300万円を割れることもあり、IT企業自体がない地域もあります。
近年はフルリモートを採用しているIT企業も多く、地方在宅でありながら都市部の企業にリモートで勤められるケースも増えています。年収をアップさせるためには、自分の住んでいるエリア以外のIT企業も就職先の選択肢として考えることが大切です。
未経験者の場合、最初は年収が低くなるため注意も必要
以上、プログラミング未経験者の年収事情について解説しました。
プログラマーなどのITエンジニアはスキルや経験が重視されますので、未経験者はどうしても年収が低くなりがちです。未経験の場合、前職の経験や年齢などが考慮されず、新卒の初任給と同じ程度の収入となってしまうこともあります。
したがって家庭を持っている方などは、転職時の収入減に注意が必要です。不安な方はキャリアアドバイザーに収入面も含め相談してみることをおすすめします。