IT人材不足が叫ばれる昨今、転職市場では未経験からエンジニアを目指す人が増えています。
いざ転職活動を始めてみたものの、あまりのIT企業の多さに…
- 何を基準に選べばいいの?
- 違いがわからない!
と悩んでしまう未経験エンジニアも多いことでしょう。
未経験者が最初に就職する企業は、その後のエンジニア人生に大きな影響を及ぼします。
この記事では、未経験エンジニアがスキルアップできる企業の選び方をご紹介します。
エンジニアの勤務形態は3つ
未経験エンジニアが企業に採用された場合の勤務形態は、大きく分けて3つあります。
自社アプリケーション開発
自社内で立ち上げたプロジェクトを自社内で開発する形態で、近年のWeb系IT企業によく見られます。
自社開発なので納期や規則などが比較的緩い傾向にあり、未経験エンジニアでもチャレンジしやすい働き方です。
一方で、あらかじめ業務内容がある程度決まっているため、幅広い業務経験やスキルは身に付けにくい面があります。
未経験エンジニアは、業務以外の知識やスキルを積極的に身に付ける努力をしましょう。
受託開発
外部から業務を委託され、請負で自社内にて開発を行う形態です。一般的に決まった期限内に成果物を納品し、検品が完了したタイミングで報酬が発生します。
業務を委託されている責任があるため、納期や規則は基本的に厳守。報酬も決まっているため、残業しにくいのが特徴です。
案件によって求められるスキルが異なり、未経験エンジニアにはやや難易度が高いですが、幅広い業務経験を身に付けることができます。
SES
受託案件と対で語られることが多いSESは「システムエンジニアリングサービス」の略で、クライアント企業に常駐して業務を行う形態です。
クライアント企業に「常駐する」ことに対して報酬が発生するため、納期感覚などが比較的緩く、残業が発生しやすい傾向にあります。
案件によって勤務する期間やスキルが異なりますが、幅広い経験を積めるのがメリットです。
ただし、常駐先に自社の社員がいないと質問があっても聞きにくかったり、派遣社員と同等の扱いを受けることもあります。
未経験エンジニアのアピールポイントとは?
どれほど能力の高い人であっても、「未経験」という色眼鏡で見られるため、転職活動にやや不利な面もあります。
そこで、未経験エンジニアが転職活動でアピールするべきポイントをご紹介しましょう。
ポートフォリオ(学習成果)
未経験からエンジニアを志す人の多くは、プログラミングスクールや独学でプログラミング学習を行っています。
しかし、どれだけ深くプログラミングを学習したとしても、「頑張って勉強しました!」と口で言うだけではアピールになりません。
学習に合わせて、必ず成果物(ポートフォリオ)を作っておくようにしましょう。
ただし、未経験エンジニアのプログラミングスキルはあくまで学習レベルです。実務は全く違うものであることを心に留めておきましょう。
コミュニケーションスキル
かつてのエンジニアは、「オタク」や「根暗」といったネガティブなイメージが強い職業でした。昨今ではそのイメージが払しょくされつつあるものの、今も「コミュニケーションが苦手」なエンジニアは一定数存在しています。
エンジニアばかりの開発現場において、コミュニケーションを円滑にはかれる人は間違いなく重宝されます。
コミュニケーションスキルに自信がある人は、積極的にアピールしていくとよいでしょう。
熱意
どれほどスキルが高くても、やる気が感じられない人に企業は内定を出してはくれません。
転職活動の際には…
- 未経験であってもチャレンジしたい!
- こんな仕事に挑戦してみたい!
- こんなふうに成長したい!
といった、あなたのエンジニアにかける熱意を伝えましょう。
もちろん熱意だけで企業が採用してくれることはありませんが、採用担当者に強い印象を残すことも大切です。
未経験エンジニアの企業の選び方|4つのポイント
未経験エンジニアの企業の選び方について、特に重視すべきポイントを4つご紹介します。
ポイント1:未経験エンジニアは中小IT企業を選ぶべし!
転職で未経験エンジニアが目指すべきは、誰もが知る大手企業ではなく、中小IT企業です。
一般的に、未経験エンジニアが大手IT企業に採用されることはめったにありません。なぜなら、大手企業が求めるのは「即戦力」であり、実績やスキルのない未経験エンジニアは即戦力にならないからです。
新卒や第二新卒でない転職組の未経験エンジニアは、まずは中小IT企業で「業務経験」と「スキル」を得ることに専念しましょう。
将来的に大手IT企業を目指すのはアリですが、中小IT企業には小さいなりの良さがたくさんあります。さまざまな業務を通じて経験やスキルを積めば、エンジニアとして飛躍的にスキルアップできます。
なお、中小IT企業のなかには研修制度がしっかりしていないところもあるので、採用の際にしっかり確認することも大切です。
ポイント2:企業文化が自分に合っているかをチェック!
エンジニア業界に限った話ではありませんが、転職において重要な要素が「企業文化」です。
特に中小IT企業は、企業それぞれに特徴があり、社長の性格やビジョンにより方向性も異なります。気になることはその都度確認し、企業が自分に合っているかをしっかり確認しておきましょう。
この部分を怠ってしまうと、入社してからストレスを抱えて困ることになりかねません。会社勤めでもっとも多いストレスは「人間関係」だからです。
確認すべきポイントは、たとえば「社員数」「平均年齢」「男女比」「既婚率」など。
企業の規模や社風はもちろん、自分の現在の環境と近い社員はいるか、レクリエーションの有無なども確認してみるとよいですね。
ポイント3:給与設定は相場と比べてどうかをチェック!
一般的に、未経験者や研修期間の給与は低いものです。それはIT業界も例外ではなく、未経験エンジニアが初めから高い給与を貰えることはほぼありません。
未経験エンジニアは、給与設定が一般的な相場と比べてどの程度か、スキルアップした場合の昇給について、しっかり確認することが大切です。
入社してすぐの給与が極端に高い、または低い企業があれば、「何かあるな」と疑ったほうがいいでしょう。負荷が極めて高い仕事や、エンジニアでなくてもできる仕事を任される可能性があります。
ポイント4:働く場所は自社か、客先か、在宅かをチェック!
未経験エンジニアが企業を選ぶ際、働く場所がどこなのかを明確に確認しておくことが大切です。
自社に出勤するのか、クライアント企業に常駐勤務するのか、在宅でリモートワークなのか。
新型コロナ禍においてリモートワークという働き方が普及しましたが、今でも出社して働くIT企業はそれなりにあります。
未経験エンジニアが経験を積むうえで、業務における同僚や上司とのコミュニケーションは非常に重要です。
人と人とのかかわりによって生まれる気づきは、かけがえのないもの。働く場所がどこであれ、コミュニケーションを円滑に進められる働き方を選びましょう。
未経験エンジニアの企業選びのポイントとは?
未経験エンジニアがスキルアップできるかどうかは、企業の選び方にかかっています。
どのような企業であれば自分が成長できるか、しっかり見極めることが大切です。
初めは「未経験」という色眼鏡で見られることも多いでしょうが、実績を1つ1つ積み重ねていくことで着実にスキルアップできます。
「企業を選ぶ」立場から「選ばれる」立場へシフトチェンジし、エンジニアとして研鑽を積んでいきましょう。