インフラエンジニアとは、ITの土台となる部分の設計・構築・運用・保守を行うエンジニアのことを指します。
この記事では、未経験からIT業界への転職を考えている方向けに、最初のキャリアとしてインフラエンジニアがおすすめな理由とキャリアパスについて紹介します。
未経験からでも転職しやすい
インフラエンジニアをおすすめする1つ目の理由としては、未経験からでも転職しやすいことが挙げられます。
では、なぜインフラエンジニアは、ほかのIT業界の職種と比べ未経験からでも転職しやすいのでしょうか?
ここでは、その理由について解説していきます。
監視・保守業務が多く人手が必要
サーバーといえば、365日・24時間動き続けているもので、サーバーがストップしてしまうとあらゆる箇所に影響を及ぼします。
そのため、サーバーが正常に動いているかを24時間監視して、異常が発生したときに保守を行うための人員が必要となります。
監視・保守の段階では、最初のアラートを感知したあと、対応できるスキルを持ったエンジニアにつなぐことが重要なため、業務未経験者でも始めやすい仕事になります。
未経験からはじめやすい一方で、ITインフラを365日・24時間体制で支えていく上で、必要不可欠な需要の高い業務ともいえます。
インフラエンジニア希望の人が少ない
エンジニアというと「プログラミングを書いて開発ができる人」とイメージされることがほとんどです。
そのため「エンジニアになりたい」=「Webエンジニアになりたい」というケースが多いのが現状です。
プログラミング言語などのコーディングをしてプロジェクトの開発を行うわけではないため、あえてインフラエンジニアを目指すというケースは少数派といえます。
一方で、上述のとおりインフラエンジニアは需要が高い職種です。
そのため、サーバーやネットワークなどのインフラ知識を身につけて運用保守経験を積みながら、並行してプログミング学習を行い、Webエンジニアへキャリアチェンジするというのも、ひとつの選択肢となるでしょう。
サーバーやネットワークなどのITインフラの知識は、IT業界でどの職種を目指すとしても、業務の中で触れる可能性の高い必須のものともいえます。 そのため、インフラエンジニアとしての経験は、必ず将来に活かすことができるでしょう。
未経験OKの求人が多い
一見難しそうな印象を受けるインフラエンジニアですが、エンジニアの中では未経験OKの求人が多い職種です。
理由としては、インフラエンジニアの業務の幅は広く、未経験者でも任せることのできる業務が他のエンジニア職種よりも多いからです。
具体的には「監視・保守業務」が未経験OKの求人が比較的多く、知識・経験問わずポテンシャル採用を積極的にしている企業も見られます。
マニュアルに沿って進める業務が多いことから、技術や経験がなくても、必要な知識を学習すれば未経験でも現場に入りやすい職種です。
そのため、積極的に未経験者を採用している企業が多くあります。
将来性が高い
インフラエンジニアをおすすめする2つ目の理由としては、将来性が高いことが挙げられます。
インフラエンジニアが将来性が高いと言われている理由について解説していきます。
ITインフラの需要は高まり続けている
近年ではクラウドの普及により、インターネット上からでも簡単にインフラ環境を構築できるようになりました。
クラウドとは、サーバーなどのインフラやソフトウェアをユーザーが持たなくても、インターネットを通じて利用できるサービスを指します。
私たちの生活の中で身近なものでは、Appleの「icloud」がクラウドサービスのひとつとして挙げられます。
そして、クラウドサーバーでは、Amazonが提供する「AWS」が代表的なものとなります。
一方で、現在まで使われている「物理的に必要となるサーバー」をオンプレミスといいます。
オンプレミスと比べて、クラウドサービスは簡単に環境を構築できて、インフラのコストダウンや業務効率化といったメリットがあります。
そのため、オンプレミスからクラウドへ移行する企業が増えています。
市場の変化は見られるものの、インフラという大枠でいうと、クラウドの広まりによりさらに需要が高まり、世の中に必要不可欠なものであることには変わりません。
仕事がなくなる可能性が低い
上述のとおり、ITインフラは物理サービスからクラウドサービスへ移行傾向にあります。
サーバールームやデータセンター内で物理サーバーを扱う技術者の仕事に限定すると、インフラエンジニアの求人は今後減少していく可能性もあるでしょう。
しかし、クラウドの利用が拡大しても、インフラという大枠で考えると、業務の対象が変わるだけで、ITインフラの構築や保守・運用に関する仕事そのものがなくなるわけではありません。
今後は稼働中のサーバーやネットワーク環境を運用管理できる人材に加え、新サービスや新規事業の環境をクラウド上に構築し運用できる人材も必要とされるようになるでしょう。
クラウドの流行により新たな需要が生まれ、必要なポジションは増えています。
IT技術の必要性がなくならないかぎり、インフラエンジニアの仕事もなくなる可能性は低いといえます。
時代の変化に合わせてスキルを身につけていくことで、将来的にインフラエンジニアとして長く活躍できるでしょう。
知識や経験が身につく
インフラエンジニアをおすすめする3つ目の理由として、知識や経験が身につくことが挙げられます。
インフラエンジニアが知識や経験が身につくと言われる理由について解説していきます。
研修や資格取得制度を受けることができる
未経験者を積極的に採用している企業では、入社時の研修やサポートが充実していたり、常にスキルアップをしてほしいということから、資格取得支援制度を設けている場合が多いです。
資格に応じて、昇給や資格手当を用意している企業もあります。
インフラエンジニアに役立つ資格としては、以下のような資格が挙げられます。
LinuC
世界中で広く普及しているOS「Linux」の知識と技術を持っていることを証明できる資格
CCNA
ネットワークに関する基礎的な技術やネットワーク機器を扱うために必要な知識が問われる、、ネットワークエンジニアの入門資格
社内研修制度や資格取得を活用することで、ITインフラに関する知識を網羅的に身につけることができるでしょう。
IT業界で経験を積むことができる
どの業界でも共通していえることですが、将来的にキャリアの幅を広げていくときには、業界内での業務経験の有無は重要なポイントになります。
どれだけ学習を続けて知識をつけても、実際に業務を行う現場での経験からしか学べない要素が多くあります。
また、初めは未経験でもできる運用・保守業務を担当することになったとしても、上流工程から下りてきたものとして認識することで、運用・保守以外の要素も自身の視点や姿勢次第で吸収することが可能です。
さらに、その業界で使われている専門用語や特有の慣習、エンジニアならではの論理的思考方法、日常的なPC能力向上などは、実務経験の中でしか学べないことです。
これらの経験を積むことができる点は、インフラエンジニアがIT業界でのファーストキャリアとして向いている大きなポイントになります。
未経験からのキャリアパスとは?
監視・ヘルプデスク
未経験からはじめに行う業務としては、インフラの監視業務・ヘルプデスク対応が代表的なキャリアパスとなります。
365日・24時間動き続けるサーバーやネットワークが正常かを監視し、異常が発生した場合は保守担当と連携し故障対応を行います。
ヘルプデスクとは、システムの不具合などが発生したときにユーザーから問い合わせが来る窓口のことを指します。
問い合わせに対しユーザーのサポートを行ったり、システム担当者へ連携するなどの対応が求められます。
冒頭でもあったように、マニュアルがあったり基礎知識をつけることで未経験からでもはじめやすい業務と言えます。
LinuxやWindowsのコマンドに関する基本的な知識が求められることもあり、知識やスキルを身につけることでインフラの運用や保守にキャリアアップもしやすいでしょう。
運用・保守
監視業務などを経験したあとの次のステップとしては、インフラエンジニアの代表的な仕事である運用・保守業務があります。
運用・保守業務では、サーバーやネットワークに不具合が起こったときのトラブル対応や、最新の状態へのアップデート作業などを行います。
また、顧客対応を行うこともあり、コミュニケーション能力も培われます。
監視業務やヘルプデスクと比べ、さらに専門的な知識や経験が求められますが、将来的にインフラの設計や構築をする際に必須の経験となります。
設計・構築
運用・保守業務の経験を積むと、最終的にはサーバーやネットワークの設計・構築から関わり、システムが正常に動き続けるように手掛けていきます。
インフラエンジニアが担う業務の中でも花形と言える領域です。
専門用語が多く高度な技術が求められるため、日々の学習や最新動向の収集などが必要となり難易度が高い業務となります。
インフラスペシャリスト
専門技術に特化した業務をこなすスペシャリストのことを指します。
例えば、以下のようなものがあります。
クラウド型スペシャリスト
クラウド型のITインフラに特化
セキュア系スペシャリスト
情報セキュリティに特化
ITスペシャリスト
ネットワークやデータベースに特化
とにかく技術が好きで技術力を磨いていきたいという方には、長期的なキャリアパスとして向いている職種となります。
プロジェクトマネージャー
インフラを設計・構築していく上でチームや複数人で担うことになるのが通常ですが、そのチームを統括してプロジェクトの管理を行います。
技術的業務に加えて、スケジュール管理からメンバーへの指示・教育なども含めて任されるため、専門知識だけでなくリーダーシップやコミュニケーション能力も問われる職種です。
前述のインフラスペシャリストが技術を極める一方で、プロジェクトマネージャーはマネジメントサイドに興味がある人に向いています。
まとめ
インフラエンジニアがファーストキャリアとしておすすめな理由について解説してきました。
表舞台には出ないインフラエンジニアですが、実は「未経験からでも転職がしやすい」「将来性が高い」「知識・経験が身につく」と三拍子が揃っているといえるでしょう。
自身の適性や将来なりたいエンジニア像に当てはまるかを見据えた上で、インフラエンジニアという道もひとつの選択肢として考えてみましょう。
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