プログラミング検定には「日商プログラミング検定」「Javaプログラミング能力認定試験」など、さまざまな種類があります。
多くのプログラミング検定では、難易度を3〜4段階程度に分けていますが、一番簡単な「入門クラス」の難易度はどの程度なのでしょう。プログラミングを初めて間もない初心者でも合格できるものなのでしょうか。
今回は、各種プログラミング検定の入門レベルの難易度について解説します。「入門レベルなら自分でも合格を狙えるのだろうか」と思い悩んでいる方はぜひご参考下さい。
プログラミング検定とは?
「プログラミング検定」とは、プログラミングの知識やスキルを測る検定のことです。「プログラミング資格」とも呼ばれます。
プログラミングの能力を自分で測ることは難しく「どれだけ上達したか」「どのレベルにいるか」を把握しにくいものです。プログラミング検定ではそうしたプログラミングに関する能力値を客観的に測ることができ、合格すれば自身の実力を示す証ともなります。
プログラミングに対しての意欲や適性など、目に見えないものを客観的に示す材料ともなるため、未経験からプログラマー職へ転職する際も、武器となってくれます。
「入門クラス」の難易度はどの程度か
プログラミング検定は、一般的に3~4段階の難易度に分けられており、初心者の場合は入門クラス(「3級」「初級」「エントリー」など)の試験から受けていくのが定番です。
ここでは、以下7つのポピュラーなプログラミング検定において、入門クラスがどの程度の難易度であるかについて解説します。
- 日商プログラミング検定
- Javaプログラミング能力認定試験
- C言語プログラミング能力認定試験
- Java SE認定資格
- Ruby技術者認定試験
- PHP技術者認定試験
- プログラミング能力検定(子供向け)
1.日商プログラミング検定
「日商プログラミング検定」は、日商簿記検定でもお馴染みの日本商工会議所が実施するプログラミング検定試験です。「EXPERT」「STANDARD」「BASIC」「ENTRY」の4段階の難易度が用意されています。
入門クラスとなるENTRYでは、ビジュアル言語「Scratch」を使った簡単なプログラミングおよびプログラミング的思考を問う問題が出題されます。
変数や条件分岐などプログラミングの基本部分が問われますが、あくまで直感的に扱えるビジュアル言語での出題となり、思考力を問う問題が中心となりますので、プログラミング初心者でも合格を狙いやすいです。難易度としては 小中学生やプログラミングを学んだばかりの人向けです。
2.Javaプログラミング能力認定試験
「Javaプログラミング能力認定試験」は、サーティファイ情報処理能力認定委員会が実施するプログラミング言語javaに関するプログラミング検定試験です。「1級」「2級」「3級」の3段階の難易度が用意されています。
入門クラスとなる3級では「Javaに関する基本知識があり、簡単なプログラムが書けるか」「オブジェクト指向についての基本概念を理解しているか」が問われます。多肢選択式となり、テーマ別に大問6問が出題されます。
難易度的にはさほど高くありませんが、オブジェクト指向やカプセル化など、javaを形作る基礎部分についてはしっかりと理解しておく必要があります。
3.C言語プログラミング能力認定試験
「C言語プログラミング能力認定試験」は、サーティファイ情報処理能力認定委員会が実施する、プログラミング言語Cに関するプログラミング検定試験です。「1級」「2級」「3級」の3段階の難易度が用意されています。
前述したJavaプログラミング能力認定試験のC言語版となり、入門クラスとなる3級では「C言語に関する基本知識があり、簡単なプログラムが書けるか」が問われ、多肢選択式となり、テーマ別に大問6問が出題されます。
整数定数、文字定数、文字列リテラルなどC言語の基礎を問う内容となりますが、C言語自体がプログラミング言語の中では難易度が高めであるため初心者にはややハードルが高めです。目安として3級は110時間程度の勉強時間が必要になります。
4.Java SE認定資格
「Java SE認定資格」は、データベースソフトの大手「日本オラクル」が実施する、javaに関するプログラミング検定試験です。「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」の3段階の難易度が用意されています。
入門クラスとなるブロンズでは、「データの宣言と使用」「演算子と分岐文」「ループ文」などjavaの基礎が問われ、オブジェクト指向について理解しておく必要があります。
Javaに関するプログラミング検定としては、前述した「Javaプログラミング能力認定試験」とこの「Java SE認定資格」の2つが定番です。オラクル系の資格は海外でも認知度が高いため、外資系企業への就職や、将来海外で働くことを想定している方は、Java SE認定資格の方が使い道が増えるでしょう。
5.Ruby技術者認定試験
「Ruby技術者認定試験」は非営利団体Ruby Associationが実施する、プログラミング言語Rubyに関するプログラミング検定試験です。「ゴールド」「シルバー」の2段階の難易度が用意されています。
入門クラスとなるシルバーでは、初心者でも受験が可能なレベルとされていますが、メソッド定義、クラス定義、モジュール定義など、Rubyの基礎を理解しておく必要があります。まったくの初心者ですと約1か月程度の勉強が必要となることが多いです。
6.PHP技術者認定試験
「PHP技術者認定試験」は、一般社団法人 PHP技術者認定機構が実施する、WEB系のプログラミング言語PHPに関するプログラミング検定試験です。「認定ウィザード」「上級(準上級)」「初級」の3段階の難易度が用意されています。
入門クラスとなる初級では、ユーザー定義関数、標準クラスライブラリ、リクエスト情報データベース連携など、PHPの基本的な部分の知識が問われます。難易度自体はさほど高くはなく、PHPに触れている必要はありますが「ITパスポート試験」程度といわれています。学生や社会人1〜2年目程度を想定した内容です。
7.プログラミング能力検定(子供向け)
「プログラミング能力検定」は、プログラミング能力検定協会が実施する、子供向けのプログラミング検定試験です。通称「プロ検」と呼ばれ、受講できるのは現在小中高生までに限られます。「プログラミング検定受験者数NO.1(2022年11月期)」に輝き、小中高生向けの検定試験として特に注目されています。
受験するプログラミング言語は「オリジナルのビジュアルプログラミング言語」「JavaScript」「Python」の3つの中から選べます。難易度は「レベル6」~「レベル1」の6段階が用意されています。
入門クラスとなるレベル1では、順次処理、条件分岐、繰り返しなど、プログラミングの初歩部分が問われます。成績を細かくチェックでき、弱点箇所なども把握できるため、子供のプログラミング能力向上に活用できます。
基礎を理解したらチャレンジしてみよう!
以上、各種プログラミング検定の入門クラスの難易度について解説しました。
検定にもよるものの、入門クラスの難易度は低めに設定されており、プログラミングの基礎部分を理解していれば合格できることが多いです。入門クラスであっても合格すれば自信にも繋がりますので、気になっている方は臆せずにチャレンジしてみてはいかがでしょう。
ただし、どの検定もまったくの無勉強で合格できるものではありませんので、対象のプログラミング言語をある程度触り、基礎は理解した上で受験することをおすすめします。