働き方改革の影響もあり、副業やWワークが注目されるご時世となりました。その中でも「プログラミング」は副業として人気であり、挑戦する人も増えています。
IT化が進む中、プログラミング関連の仕事自体も増加していますが、それではプログラミングをはじめてまもない初心者であっても、プログラミングの副業を行うことは可能なのでしょうか。
今回はそのような初心者向けの副業事情について解説すると共に、初心者の副業の探し方についてもあわせて紹介します。
プログラミング初心者でも副業は可能か?
結論からいえば、プログラミング初心者でも副業ができることもあります。ただし初心者が副業で稼ぐというのはなかなか簡単ではないのが実情です。
副業自体は会社がOKを出していれば可能
まず、そもそも副業を行ってよいものなのかについてお話します。
プログラミングに限らず副業すべてにいえることですが、法律上、副業を行うことは自由とされています。具体的にいうと、厚生労働省が定めた「副業・兼業の促進に関するガイドライン」にて「基本的に労働時間以外は労働者の自由である」と明示されています。
ただし、会社員の場合、会社側の「就業規則」で副業を禁じられていることがあります。
自社の就業規則は会社員として必ず守る必要があり、守らなかった場合、戒告や減給、解雇などの重い処分が下されてしまう可能性があります。
言い換えれば、会社側が副業を禁じていなければ、プログラミングの副業を誰の制約も受けずに行うことができるのです。
現実的には初心者が副業で稼ぐのは難しい
前述したように、副業を行うことは自由ですが、プログラミングをはじめたばかりの初心者が副業で稼ぐことは、現実的に難しいのが実情です。
というのも副業というのは確たる「スキル」が要求されるためです。
企業側も正社員として採用し将来を見込んで経験を積ませるという訳ではないため、求めているのは今あるプログラミングスキルです。そのため、自分よりスキルの高いプログラマーの応募があるとそちらを採用してしまうものです。
副業は仕事を受注できないと成り立たず、初心者の場合、必然的にそういった競争にやぶれやすいため、稼ぐのは難しいのが実情です。人によってはまったく仕事が得られずスタートラインにさえ立てないこともあります。
スキルで具体的に制限されている案件も多い
副業やフリーランス向けの案件紹介サービスでは、月数十万円も稼げる案件が多数掲載されています。
しかしそのような案件は経験者を前提としているものが多く、求めるスキルや経験についても、以下のように具体的に明記されていることが多いです。
・〇〇言語でのプログラミング経験〇年以上
・〇〇言語でのプログラミング経験〇年以上、〇〇系システム開発経験〇年以上
・関連する開発現場の開発経験〇年以上
・大規模システムでの開発経験〇年以上
など
「経験〇年以上」と、年数までは厳しく指定していない案件もありますが、高額な案件の場合、大抵は経験者を前提としてます。
こうしたことから、スキルや経験のない初心者の場合は、やってみたい仕事を見つけても、応募すらできないというケースも増えてくるわけです。
おこづかい程度なら稼げることもある
ただし、IT業界は人手不足が深刻化しているため、「おこづかい」程度の額であれば、初心者でも稼げることはあります。
とくにマンパワーが足りていない小さなIT企業などでは、簡単なコーディングやデバック作業などは、プログラミング初心者に依頼しているケースもあります。「実務経験はまったく問わない」「簡単にでもプログラミングをやったことがあればOK」という案件もあります。
しかし、そういった初心者OKの案件は、その分報酬が低めであることが多いです。それこそプログラミングスピードの遅い初心者の場合、時間単価で考えれば、コンビニや事務などの一般的なアルバイトなどをしていたほうが割がよくなってしまうこともあります。
プログラミング初心者が副業の仕事をするまでのステップ
プログラミング初心者が実際に副業の仕事を受注し報酬を得るには、何から始めていけばよいのでしょう。ここでは副業で報酬を得るまでにやるべきことについて、順を追って解説します。
※以降で解説するのはあくまで一般的なやり方です。必ずしもこのステップを踏まないと副業ができないわけではありません。
ステップ1:プログラミングの学習
プログラミングの副業をする上では、基礎的なプログラミングスキルを身に着けておくことが大切です。どんなに簡単な案件でも、最低限度のプログラミングスキルは必要です。
プログラミング言語をどれか一つに絞り、その言語の基礎文法、変数、条件分岐、ループ処理など、基礎部分を固めていきます。
プログラミングの基礎を身に着けるには、目安として、独学では6ヵ月程度、プログラミングスクールなどに通った場合は3ヵ月程度の期間が必要となります。
ステップ2:ポートフォリオの作成
プログラミングの基礎が固まったら、実際にプログラミングを行い、「ポートフォリオ」を作成しておくのが効果的です。
ポートフォリオというのは、自分のスキルを証明する作品集のようなものであり、エンジニアやクリエイターにとっての営業資料のようなものでもあります。たとえばWEB系のプログラマーであれば、自分のWEBサイトを作ることで、それが目に見える実績となりポートフォリオになります。
プログラミング初心者の場合、実務経験がない分、企業に自分のスキルを客観的にアピールするためにはこのポートフォリオの存在が重要になります。
低単価の仕事であればポートフォリオを作成せずとも受注ができることもありますが、ポートフォリオがあったほうがより確実といえます。ポートフォリオの作成はプログラミングの実践練習にもなりますので、時間に余裕がある方は作成しておくことをおすすめします。
ステップ3:仕事を探す
ひと通りの準備が整ったら、プログラミング初心者でも可能な副業の仕事を探します。
副業の仕事の探し方としては、主に次のような方法があります。
- 既存の人脈を使う
- クラウドソーシングサービスを使う
- 求人サイトを使う
- フリーランス向けの案件紹介サービスを使う など
以降では、それぞれの詳細を解説します。
1.既存の人脈を使う:
知り合いや自分の知り合いの会社などに営業をかけ、仕事を貰う方法です。
すでに信頼が築けている間柄であれば、プログラミング分野ではまだ未熟であっても、仕事を任せてもらえることがあります。SNSなどを活用し、知り合いの知り合いなどに営業をかけてみるのも手です。
2.クラウドソーシングサービスを使う:
クラウドソーシングサービスでは、プロフェッショナル向けの仕事もありますが、初心者向けの仕事も多く掲載されています。
小さな企業や個人事業主などがデバッグなどの簡単でお手軽な仕事を募集していることもあり、初心者でも仕事が取りやすい環境です。単価は低めであることが多いですが、初心者の実績作りとして活用できます。
3.求人サイトを使う:
一般的な求人サイトにも、「業務委託」の形態で、副業やフリーランス向けのプログラミングの仕事が掲載されています。
求人サイトを副業の仕事探しに使わないエンジニアも多いため、意外な穴場となっていることもあり、応募する人がいない求人などであれば初心者でも運よく仕事がとれてしまうこともあります。
4.フリーランス向けの案件紹介サービスを使う:
近年はフリーランスのエンジニア向けに案件を紹介する転職エージェントサービスが増えてきました。月数十万円も稼げる高額案件を豊富に扱っているサービスも少なくはありません。
ただしこういったサービスはプロフェッショナルな人材を想定している場合が多く、スキルが未熟な初心者では仕事がなかなか見つからないことがあります。
とはいえ初心者向けの案件がまったくないというわけではないため、選択肢の一つとして考えておくのはアリでしょう。
スキルを磨き実績を作ることが大事
繰り返しとなりますが、副業ではスキルや経験が重要になり、難易度が高く高単価な案件ほど、プログラマーとしての確たる経験と実績が問われてきます。
いきなりそういったプロフェッショナル向けの案件を受注することは難しく、仮に受注できたとしても、価格に見合った品質のプログラムを納品できないと、次に続かないこともあります。
したがってプログラミング初心者は、着実にスキルアップを計り、まずは「初心者」を抜け出すことが目先のテーマともなります。そういった意味でも、最初は金額だけにこだわらず、実績や経験を積むことに重点をあて副業を進めていくことも一つの在り方です。
自分にできそうな仕事からチャレンジしてみよう
以上、プログラミング初心者の副業について解説しました。
プログラミングをはじめてまもない初心者が副業の仕事を受注するというのは、決して簡単なことではありません。しかし近年は副業やフリーランス向けの仕事も増えており、またIT人材の人手不足も深刻化していますので、初心者にもチャンスはあり、チャレンジできる環境は用意されています。
実際にやってみないと分からない部分もありますので、まずは自分ができそうな仕事から挑戦し、試行錯誤しながら一歩ずつ進んでいきましょう。