現在、プログラミング資格には国家資格から民間資格まで沢山の種類があります。いざプログラミング系の資格を取得しようと意気込んでも、どれにしたらよいかわからず困惑している方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、プログラミング初心者の方、これからプログラマーを目指す方におすすめのプログラミング資格を、厳選して7つ紹介します。
資格を取得することで、プログラミングの理解も深められ、プログラマーとしての自己成長にも繋がります。ぜひ自分にあった資格を見つけ、資格取得にチャレンジしてみてください。
おすすめのプログラミング資格7選
プログラミング資格は、自身のレベルや得たいスキルにマッチしたものを選ぶことが大切です。
プログラミング初心者の方におすすめの資格は、以下7つです。
- 基本情報技術者試験
- ITパスポート
- Java SE認定資格
- Ruby技術者認定試験
- PHP技術者認定試験
- HTML5プロフェッショナル認定試験
- C言語プログラミング能力認定試験
以降では各資格の詳細を解説します。
基本情報技術者試験
「基本情報技術者試験(FE)」は、経済産業大臣が実施する国家試験「情報処理技術者試験」のうち、スキルレベル2に該当する試験となります。
この基本情報技術者試験は、IT業界ではエンジニア職の登竜門ともいえる資格であり、業界内での認知度はとても高いです。所持していると一定レベルのIT知識やプログラミング知識を持つことの証明となり、就職転職でも好感されやすくなります。特にIT業界外の方やプログラマー未経験の方が所持していると、評価の対象となりやすいです。
試験は、午前の部と午後の部に分かれ、午後の部がプログラミング知識を問う内容となっています。Java、C言語、Python、アセンブラ、表計算の中からいずれか一つを選択し、問題を解いていく形となります。
難易度はやや高めであり、IT業界外の方やプログラミング初心者の方が受験する場合、合格するには約200時間の勉強が必要となります。
ITパスポート
「ITパスポート」は、経済産業大臣が実施する国家試験「情報処理技術者試験」のうち、スキルレベル1に該当する試験となり、情報技術者試験としてはエントリー資格となります。
前述した基本情報技術者試験を一回り簡単にした位置づけの試験となり、エンジニアというよりは、ITについて理解を深めたいビジネスマンや学生などをメインターゲットとした試験です。
このため受験者にはIT業界外の方も多いです。テクノロジ系、ストラテジ系、マネジメント系3つの分野に分かれ、ITに関する知識を幅広く問われます。
これまではITパスポートではプログラミングに関する出題がなかったのですが、近年のシラバスVer.6.0から、プログラミング的思考力を問うための、プログラム言語(擬似言語)で書かれたプログラム問題が出題される形となりました。ただし基本情報技術者試験ほど比重は大きくなく、100問出題されるうちの何問かがプログラミングに関する問題という扱いです。
ITパスポートは基本情報技術者試験より全体的に難易度が一段低いため、基本情報技術者試験では不安な方は、最初はITパスポートから挑戦してみるのも手です。
Java SE認定資格
「Java SE認定資格」は、データベースソフトの大手「日本オラクル」が実施する民間資格(ベンダー資格)であり、プログラミング言語「java」の知識が問われます。オラクル系の資格は、このJava SEをはじめ、オラクルマスターなどさまざまな種類がありますが、いずれも民間資格ながらIT業界内では認知度が高く、評価の対象とされています。
Java SE認定資格には、ゴールド、シルバー、ブロンズの3段階の難易度があります。シルバーとブロンズはどちらかでも挑戦できますが、初心者向けなのはブロンズです。ブロンズは言語未経験者向けの入門資格であり、 Java 言語を使用したオブジェクト指向プログラミングの基本的な知識があるかを評価する資格です。
なおゴールドを受験するには、シルバーの合格が前提条件となっています。
Ruby技術者認定試験
「Ruby技術者認定試験」は、プログラミング言語「Ruby」の普及活動に携わる非営利団体Ruby Associationによって運営されている民間資格です。
Rubyは日本製のプログラミング言語です。日本語で書かれた参考情報も多く、コードがシンプルであることから、初心者に適したプログラミング言語ともいわれています。
Ruby技術者認定試験では、Rubyの知識や能力が問われ、ゴールドとシルバーの2段階の難易度が用意されています。ゴールドはシルバーの合格が前提となるため、最初はシルバーから受験する形となります。
シルバーでは、変数定数とスコープ、演算子、条件分岐、ループなどプログラミングの基本知識が問われ、合格するとRubyにおける一定レベルのプログラミング能力があることを証明できます。
PHP技術者認定試験
「PHP技術者認定試験」は、一般社団法人 PHP技術者認定機構が実施する民間資格です。
WEB系のプログラミング言語である「PHP」のスキルや知識の証明となるため、将来WEBプログラマーを目指している方とは相性の良い資格となります。
認定ウィザード、上級(準上級)、初級の3段階の難易度があり、初級と上級どちらからでも受験可能ですが、初心者の場合は初級が難易度的に適しています。初級はPHPプログラミングの基本知識を問う試験となり、難易度は前述したITパスポート程度といわれています。学生や社会人1〜2年目の方を想定した試験レベルです。
最上位の認定ウィザードは、前提条件として上級の合格が必要になり、研究論文またはコードを提出しての採点となるため誤魔化しは一切通用しません。難易度は高いですが、その分所持しているとPHPエンジニアとしての実力を大いに示すことができます。
HTML5プロフェッショナル認定試験
「HTML5プロフェッショナル認定試験」は、特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)が実施する民間資格となります。
スキルレベル2とスキルレベル1と2段階の試験があり、最初はスキルレベル1から受験することになります。スキルレベル1ではHTML5、CSSといったマークアップに関する基礎知識が問われ、スキルレベル2ではJavaScriptやAPIに関する分野も多く出題されます。
前述した「PHP技術者認定試験」と同様、WEBプログラマーやWEBデザイナーなど、WEB系の業界でエンジニアとして働きたい方と相性の良い資格です。
C言語プログラミング能力認定試験
「C言語プログラミング能力認定試験」は、サーティファイ情報処理能力認定委員会が実施する民間資格です。
プログラム言語「C」のスキルや知識を問う試験であり、1級、2級、3級の3段階の難易度があります。初心者向けなのは3級であり、3級では「C言語の概念を理解し、簡単なプログラムが書けるか」が認定基準となり、問題は多肢選択式で出題されます。
C言語は多くのプログラミング言語の源流ともなっている歴史のあるプログラミング言語です。プログラミングの基本が詰まった言語でありよい練習台になりますが、難易度はRubyなど近年登場した言語に比べやや高めです。
プログラミング資格を取る必要はある?
プログラミング能力というのは、目に見えるものではないため、言葉で自分の実力を示すことがなかなかできません。一方、プログラミング資格があれば、自身のプログラミング能力やプログラミングへの理解を、資格によって第三者に対し客観的に示すことができます。
特に未経験者がプログラマーとして転職する場合には「プログラミング経験がまったくゼロなのか」「多少は基礎知識を備えているのか」が一つの焦点となります。
プログラミング資格があれば、プログラミングの基礎知識を備えていること、またプログラミングに対しての意欲があることを証明できますので、就職や転職を有利に運べる材料となりやすいです。
極論をいえば、プログラマーの仕事をする上で必ず必要となる資格や免許などありませんが、それでもプログラミング資格はプログラマーにとってプラスとなることが多いため、特に初心者や未経験者はできれば取得を目指したいところです。
自分にあった資格をみつけるには将来像を描くことも大事
以上、おすすめのプログラミング資格について紹介しました。
プログラミング資格には沢山の種類がありますが、どの資格がベストであるかは、自分の目指すプログラマー像、自分が武器としたいプログラミング言語、将来の進路などによっても変わってきます。
自分がどの言語を駆使し、どういったプログラムやサービスを開発するプログラマーになりたいのかを描いておくと、自分にあった資格を見つけやすいです。