プログラミング言語にはたくさんの種類があり、それぞれの言語で、プログラミング方法、難易度、さらには描けるキャリアルートまで変わってきます。
今回は、プログラミングの初心者の方に向け、プログラミング言語の選び方のポイント、加えて、おすすめのプログラミング言語を7つ紹介します。
初心者がプログラミング言語を選ぶ上でのポイント
ことわざに「始めが大事」とあるように、初めてプログラミングに触れる人の場合であれば、最初にどのプログラミング言語を選ぶかはとても重要です。
ここでは初心者がプログラミング言語を選ぶ上でのポイントを解説します。
難易度を考えよう
プログラミングというのは適性も関係するため、スムーズに習得できる人もいますが苦労する人も多いです。そのため最初から難易度の高いプログラミング言語を選んでしまうと泥沼にはまり、挫折してしまう恐れもあります。
とくに「C」や「C#」といったＣ系の言語は、プログラミング言語というものをしっかりと学べるメリットはあるものの、難易度は高めです。初心者がこの手の高難易度な言語を選ぶ場合には、十分な勉強時間と勉強環境を用意する必要もあります。
進路と合っているかを考えよう
同じIT業界でもさまざまな業種や会社があり、それぞれの場所で使うプログラミング言語は変わります。
たとえばWebサイトをつくる会社に就職を考えているのであれば、「Javascript」や「PHP」などのWeb系のプログラミング言語を学んだほうがキャリアに活かせます。
基幹システムや在庫管理システムのような企業向け大規模システムをつくる会社に就職するのであれば、「Java」や「Ｃ」などの業務系のプログラミング言語を習得したほうが相性がよい場合が多いです。
求人の募集要項に求めるプログラミング言語を記載している会社も多いですので、自分の目指すべき業種や会社でどのようなプログラミング言語が求められているかも事前にリサーチしておくのがよいでしょう。
需要を考えよう
開発案件が多く、需要の多いプログラミング言語ほど、それに比例して求人数も多くなるため、習得すれば就職する上でも有利になりやすいです。
近年はインターネットやスマホが普及したため、Webサービスやスマホアプリ開発向けのプログラミング言語の需要が高まっています。さらに将来的にはAI開発向けのプログラミング言語の需要も高まるといわれています。
もしくは、「Python」や「Java」のように汎用性が高く、幅広い分野で使用されるプログラミング言語を選んでみるのも間違いではないでしょう。
「Web系」を目指す初心者におすすめのプログラミング言語4つ
まずは、比較的簡単で初心者でも習得しやすいプログラミング言語を4つ紹介します。
また、以下で紹介する言語は、とくにWeb系の現場で使われることが多いため、WebサービスやWebアプリ開発の会社に就職・転職を考えている方にもおすすめです。
Python
- シンプルな文法で初心者も扱いやすい
- AI開発、Webアプリ開発まで幅広い分野で利用される言語
- Stack Overflowが毎年発表する「Developer Survey」にて、最もよく使われているプログラミング言語第3位（2021年度）
- 難易度☆☆
「Python」は、文法がシンプルでスッキリしているため、プログラミング初心者でも理解しやすく、学習もしやすい言語です。
それでいて、近年需要が高まっているAI開発でもよく使われている言語であり、ほかにもWebアプリ開発、デスクトップアプリ開発、統計やデータ分析など幅広い分野で利用もされています。さらには業務系システムの開発で使われることもあり、汎用性が高い言語です。
Ruby
- 日本で開発されたプログラミング言語
- Webアプリ開発、APIの作成、スマホアプリ開発でよく使われる
- Web系やスタートアップ系企業の転職で需要が高い
- 難易度☆☆
「Ruby」は、まつもとゆきひろ氏が開発した日本由来のスクリプト言語です。
Webアプリ開発会社、スタートアップ系企業、ITベンチャーなどではとくに需要の多いプログラミング言語となり、若いプログラマーたちにも人気の言語です。
ただし、日本国内ではRubyの使えるプログラマーの転職求人は多いですが、海外では他のプログラミング言語と比べ採用事例が減少傾向にあります。
Javascript
- Web系に強いプログラミング言語
- さほど難易度は高くなく、初心者向け
- HTML／CSSとセットで覚える
- 難易度☆
「Javascript」は、WebサイトやWebサービスをつくる上で利用されることの多い言語です。
WebサイトやWebサービスの制作会社などに就職を希望している方であれば、特に相性がよいです。
前段としてまずはWebサイトの見た目を構成するHTML／CSSを覚え、その上でJavascriptを学習していくのが一般的です。
PHP
- Webサイト、Webサービス、Webアプリ向けのプログラミング言語
- 「WordPress」もPHPベース
- 難易度は低めで、学べる教材も充実
- 難易度☆
「PHP」は、Webサイト向けのプログラミング言語です。
世界で最も利用されているCMS（コンテンツマネジメントシステム）となる「WordPress」もPHPベースで作られています。
難易度もさほど高くはなく、ネット上などでは参考サイトや勉強用の記事なども多数で回っております。
PHP向けの仕事案件は多く、個人向けの小規模な案件も多いため、副業やフリーランスとも相性のよいプログラミング言語です。
「業務系」を目指す初心者におすすめのプログラミング言語3つ
続いて、基幹システムや在庫管理システムのような企業向けITシステムの開発で用いる「業務系」のプログラミング言語を3つ紹介します。
業務系のプログラミング言語は、Web系のプログラミング言語と比べると難易度は高めですが、その分、プログラミング言語というものをしっかり学べます。
Java
- 汎用性の高いプログラミング言語
- 業務システム開発からWebアプリ開発まで需要は広い
- 初心者向けでもあるが、やや癖もあるため、習得に苦労することもあり
- 難易度☆☆
「Java」は、幅広いOSで動作するため、企業向けの業務システム開発や組み込みシステム開発の現場で、需要が高いプログラミング言語です。
また業務系だけなく、Webアプリ開発やスマホアプリ開発などでも使われることがあり、就職先となる企業も幅広く、求人の母数も多い言語です。
なお、前述した「JavaScript」とは名前は似ていますがまったく別物のプログラミング言語です。
C言語
- 1970年代からある歴史の長いプログラミング言語
- 業務システム開発、組み込みシステム開発では定番となる言語
- 高速で無駄のないプログラムが書ける
- 難易度☆☆☆
「C」は歴史が長く、プログラミング言語の中でもとくに有名な言語です。高い処理速度が求められる業務システムや組み込みシステムの開発において、昔も今も安定した需要をもちます。
「最も基礎的な言語」ともいわれ、プログラミング言語というものをしっかりと学ぶことができます。Javaなどの後続の言語もC言語を参考にして作られたものが多く、C言語を習得すればのちのちスムーズに習得できるようになります。
ただしＣ言語は難易度としては高い部類に入ります。プログラミング初心者が習得するには相応の時間が必要になるでしょう。
C#
- Microsoft社が開発する汎用プログラミング言語
- Windowsのパソコンアプリ開発で多用される
- 家庭用ゲーム開発などにも使われることが多く、ゲーム業界でも需要高
- 難易度☆☆☆
「C#」は、汎用性が高い言語です。Windowsのパソコンアプリ開発で大きな需要がありますが、業務システムに用いられることもあり、ゲーム業界からも注目されています。Webアプリ開発などで使われることもあります。
C#もC言語と同じく、難易度は高めです。同時にメジャーな言語であるため、C#を学ぶ環境は充実しています。参考書も多々発売されており、ネット上にはC#を解説する記事や動画、教育サービスなども豊富にあるため、環境としては学びやすい言語といえます。
自分に合ったものを選ぼう
以上のようにプログラミング言語にはさまざな種類があり、今回紹介した以外にもまだまだ言語はあります。
またプログラミング言語によって難易度は異なり、使われる現場、描けるキャリアルートなども異なってくるため、どれを選ぶのが最適であるかというのは、その人次第の部分もあります。
ただし途中で挫折してしまっては元も子もありませんので、まったくの初心者の方や、勉強時間に余裕がない人であれば、まずは難易度の低い言語から挑戦してみるのが賢明ともいえます。
どの言語を選ぶにしても、勉強するとなるとその言語と長い時間必死に向き合っていくことになりますので、できるだけ自分に合った言語を選びたいところです。
