インフラエンジニア関連の資格は、初心者向けからスペシャリスト向けまで数多くあります。
同時に「インフラエンジニアになる上で資格は本当に必要なのか?」と疑問に思う方もいるかと思います。
そこで今回は、未経験からインフラエンジニアを目指す方に向けて、インフラエンジニアの資格事情やおすすめの資格を解説します。
インフラエンジニアになるために資格は必要?

インフラエンジニア関連の資格は多々ありますが、インフラエンジニアになる上で必須となる資格はひとつもありません。
インフラエンジニアは、医師や弁護士のように法律上で資格が必須とされる職業ではないからです。
資格ゼロの状態でも、インフラエンジニアとして就職することは可能です。
インフラエンジニアの主業務となる、システムの設計、サーバー構築などの技術作業も、資格や免許がなくても行えます。
業務が制限されることもありません。
その道何十年というベテランのインフラエンジニアでも、資格はひとつも持っていない人もいます。
資格がないからといって道が閉ざされるわけではありません。
インフラエンジニアが資格を取得する4つのメリット

インフラエンジニアは資格が必須な仕事ではありません。
だからといって資格を取得することは無駄ではなく、プラスになることもあります。
ここからは、インフラエンジニアが資格を取得するメリットを紹介します。
面接でアピールポイントになる
未経験の人をインフラエンジニアとして採用する場合、実務経験がないため「意欲」や「適正」が評価のポイントとなります。
しかし意欲や適正は、言葉だけでは伝わりにくいものです。
資格を取得していると、以下を客観的にアピールすることができます。
・資格勉強に時間を費やすだけの意欲
・資格に合格できるだけの技術者としての適正
資格を持っているからといって即採用とはなりませんが、面接で評価される材料になります。
より難易度の高い資格ほど、それに見合うだけの意欲や適正があることの証となり、評価されやすくなります。
現場で役立つ
システム開発の現場は、ITの専門用語が飛び交い、仕事の進め方も独特です。
未経験者が飛び込むと、最初は周りのメンバーが何を言っているのかも分からず、混乱することもあります。
資格を取得しておくと、IT知識やシステム開発知識が養われるため、仕事のイメージもしやすくなります。
混乱することも減り、現場に馴染みやすくなるでしょう。
「〇〇の資格を取得しています」と言えば、現場のメンバーやお客様からも安心感を持たれ、仕事も進めやすくなります。
本人の自信にもつながるでしょう。
入社後の資格勉強の苦労が減る
新入社員に対して、入社後に「基本情報技術者試験」などのIT資格の受験を求める会社もあります。
入社後は仕事に慣れるまで心身共にハードな日々が続きます。
その上で帰宅後や休日に資格勉強をするとなると、より大変な日々となります。
できるだけ入社前に関連資格の勉強を進めておくと、社会人生活での苦労が減ります。
資格手当がもらえる
会社によっては、高難易度のIIT資格を取得していると、基本給とは別に「資格手当」が支給されることがあります。
昇給や昇進の審査に、資格取得の有無が影響することもあります。
インフラエンジニア向け!おすすめの資格4つ

インフラエンジニア関連の資格には、民間資格から国家資格までさまざまなものがあります。
未経験者の場合、どの資格を取得するのがよいのでしょうか?
これからインフラエンジニアを目指す人におすすめの資格をいくつかピックアップします。
ITパスポート試験
「ITパスポート試験(IP)」は、IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が主催する国家試験「情報処理技術者試験」のひとつです。
情報処理技術者試験のなかでは難易度が最も低い資格試験となります(スキルレベル1)。
ITを活用するすべての社会人、就職を控えた学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家資格です。
この資格はIT業界に限らず、現代社会においてどの業界に就職する上でも役立ちます。
実際にメーカー社員や公務員など、IT業界外に勤める人がITパスポート試験を受験するケースも少なくありません。
試験内容としては、以下のような幅広いIT知識の基礎が問われます。
・コンピュータやプログラミングの基礎知識
・セキュリティ、ネットワーク、データベース等に関するIT知識
・経営とIT(経営戦略、マーケティング、企業活動、法務など)
・プロジェクトマネジメント
・新しいIT技術(AI、ビッグデータ、IoT など)
レベル的には基礎的な内容となりますが、ITというものを幅広く学べます。
多方面のIT知識が必要になるインフラエンジニア職とも相性のよい資格です。
基本情報技術者試験
「基本情報技術者試験(FE)」は、IPAが主催する情報処理技術者試験のひとつであり、前述したITパスポート試験の上位版ともいえます(スキルレベル2)。
ITパスポート試験と同じく、コンピュータの基礎から、経営とIT、プロジェクトマネジメントに至るまで、ITに関する知識を幅広く学ぶことができます。
ITパスポート試験との大きな差は、試験が午前と午後に分かれ、午後の試験ではプログラミングに関する出題があることです。
以下の中から好きなプログラミング言語をひとつ選び、問題を解くことになります。
・Java
・C言語
・Python
・アセンブラ
・表計算
したがってプログラミングの基礎を学ぶ必要があり、プログラミングの適正が低い方だと難易度が高くなります。
オラクルマスター
「オラクルマスター」は、データベースソフト大手のオラクル社が主催するデータベースの認定試験です。
民間資格ですが、IT業界内では知名度や評価の高い資格です。
オラクル社のリレーショナルデータベース製品「Oracle Database」を軸とした内容となり、合格するとデータベース関連の知識や操作スキルがあることの証明となります。
難易度別に「ブロンズ」「シルバー」「ゴールド」「プラチナム」の4ランクがあります。
インフラエンジニアは、システム開発をするにあたりデータベース周りの知識も必要になるので、取得しておくとのちのち力となってくれます。
将来、データベースエンジニアを目指す足がかりにもなります。
Cisco技術者認定資格
「Cisco技術者認定資格」は、ネットワーク機器メーカー大手のCisco社が主催するネットワークの認定試験です。
こちらも民間資格ですが、IT業界内では認知度が高いです。
この資格の取得を通して、ネットワーク技術の理解が深まり、ネットワーク機器の操作スキル、構築スキルも身につきます。
「エントリー」「アソシエイト」「プロフェッショナル」「エキスパート」「アーキテクト」の5つのランクがあります。
エントリークラスであれば、未経験者でも挑戦できる難易度です。
ネットワーク周りの知識もインフラエンジニアには欠かせません。
インフラエンジニアがネットワーク機器の設計をしたり、機器の構築や設定を行うこともあるので、この資格を取得しておくと活躍の幅が広がるでしょう。
未経験者におすすめの資格は?

上記の4つの資格のなかで、未経験者におすすめなのは「ITパスポート試験」です。
インフラエンジニアは、サーバー、ネットワーク、データベース、セキュリティなど、多方面のIT知識が必要な職種です。
ITパスポート試験では、そのようなITに関する幅広い知識を学べるため、実務にも有益です。
情報処理技術者試験である点も見逃せません。
インフラエンジニアとして働くと「情報処理技術者試験は何に合格していますか?」と聞かれるほど、関連性の高い試験です。
自信や意欲のある人であれば、あえてITパスポート試験は飛ばし、1ランク上の基本情報技術者試験から受験するという選択肢もあります。
まとめ

今回は、インフラエンジニアの資格事情について紹介しました。
インフラエンジニアは必ずしも資格が必要なわけではありません。
しかし、資格を取ることでのメリットは多く、特に未経験者であれば資格取得の恩恵は大きくなります。
インフラエンジニアとしての仕事もイメージしやすくなりますので、時間に余裕がある人は、資格取得に挑戦してみてはいかがでしょうか。