日本の、世界のIT技術をけん引するIT業界。よく耳にすることはあれど、実際にどんな業界なのかよくわからない人も多いのではないでしょうか。
「IT業界」とひとくちに言っても実に幅広く、インターネット業界、情報処理サービス業界、ソフトウェア業界、ハードウェア業界の4つに分類することができます。さらに職種も幅広く存在し、エンジニアをはじめさまざまなものがあります。
この記事では、知っているようで実はよく分かっていないIT業界とその職種についてご紹介します。
IT業界は4つに分類される
IT業界は、大きく分けて4つに分類することができます。1つずつご紹介しましょう。
インターネット(Web)業界
インターネット(Web)業界は、Webサイトの制作をはじめ、インターネット広告の作成やSNSなどを作成するのが仕事です。
大企業向けの案件から中小企業や個人向けのものまで、幅広い仕事が存在しています。
この業界の魅力は、さまざまな働き方ができるところです。企業の社員として自社サイト構築に携わったり、派遣スタッフとして企業向けの大規模案件を手掛けることもできます。小規模案件であれば、在宅やフリーランスで働くことも可能。
新型コロナ禍で働き方が見直されつつあるなか、「場所を選ばずに働ける」という自由度の高さが人気です。
情報処理サービス業界
情報処理サービス業界は、企業の業務システムなどを提供するのが仕事です。
仕事内容は、ハードウェアの選定からソフトウェア開発、開発プロジェクトの管理や運用、保守などがあります。ITコンサルティングなど、企業の業務内容を分析したり課題解決を行っているところもあります。
情報処理サービス業界の仕事は、銀行や自治体などの大規模システムや基幹システムが多いので、規模の大きい仕事をやりたいと考えている人におすすめです。
ソフトウェア業界
ソフトウェア業界は、パソコンやスマートフォンのアプリケーションを開発する仕事をしている業界です。
具体的には、OS(オペレーティングシステム)やアプリケーションソフト、ドライバやミドルウェア、ハードウェアなどの開発を行います。
案件の規模は大規模から小規模まであるので、多彩な仕事にかかわれるのが魅力です。
ハードウェア業界
私たちが日常的に使っているテレビや自動車、家電などといった機械は、細かい電子部品が組み合わされてできています。そのため、それらをプログラミングで制御する仕組みが必要になります。
ハードウェア業界は、このような「組み込みソフトウェア」を専門に扱っている業界です。
取り扱うものは家電やロボット、乗り物など幅広く、手掛けたものが世の中に出回る喜びを実感できます。機械の仕組みに興味がある人にはおすすめの業界です。
IT業界にはさまざまな職種がある!
IT業界は、職種もさまざまなものに分かれています。代表的なものを見てみましょう。
エンジニア職
エンジニアは直訳すると「技術者」を指し、特別な技術や能力を持ち実践する専門家を指します。
エンジニアの中にも専門分野によって様々な種類に分かれています。たとえば以下のような職種です。
- システムエンジニア
- ウェブエンジニア(フロントエンドエンジニア・バックエンドエンジニア)
- ネットワークエンジニア
- ハードウェアエンジニア
- 組み込み系エンジニア
- データベースエンジニア
- プログラマー
システムエンジニアとプログラマーは、しばしば「どう違うのか」が議論になる職種です。システムエンジニアは設計や要件定義といった上流工程からプログラミングまで幅広く行いますが、プログラマーはプログラミング(とテスト)に特化しており、厳密には異なる職種です。
しかし近年、設計からプログラミングまで一連の流れをすべて行うのが一般的になってきており、両者の垣根はほとんどなくなったと考えてよいでしょう。
営業・コンサルティング職
エンジニアの仕事が「作る」ことであるなら、営業やコンサルティングは「売る」「活用する」「分析する」などが仕事になります。
営業・コンサルティングには以下のような職種があります。
- ITコンサルタント
- テクニカルサポート
- セールスエンジニア
- Webマーケター
技術的なことにはそこまで詳しくなくても、製品やシステムの強みや魅力を熟知し、社会に展開していく役割を担っています。
セールスエンジニアは「エンジニア」と付いていますが、技術的な知識をベースに商品やシステムを売り込んでいく営業職です。もとシステムエンジニアだった人がキャリアアップのためにセールスエンジニアになったりすることがあります。
製品開発・研究開発職
製品開発・研究開発は、市場で新たにトレンドになるものを読み取り、新たな製品や技術として世に送り出すために活躍する研究職です。
既存の技術を用いて新たな製品を生み出したり、既存の製品を改良するなどといった仕事があります。
マネジメント職
マネジメントは、IT業界における開発の現場で人員や工程の管理を行う職種です。
もともとエンジニアとして現場で活躍していた人がキャリアアップのために進むことが多く、開発現場の要として重要な役割を担っています。
近年マネジメント業務のできる中堅の人材がとくに不足しているため、マネジメント経験者は転職市場で強いアピールポイントになるでしょう。
マネジメント職には以下のような職種があります。
- プロジェクトマネージャー(PM)
- プロダクトマネージャー(PdM)
- プロジェクトリーダー
- プロデューサー
- ディレクター
プロジェクトマネージャーとプロダクトマネージャーは、似たような職種ですがまったく異なるものです。
プロジェクトマネージャーは、「プロジェクト」つまり「決まった目的を実現するために必要なタスク群」を取り仕切るマネージャーです。この場合の「目的」には、ウェブサイト構築やシステム構築、運用や保守などさまざまなものがあります。
目的を実現するためには、クライアントとの折衝やスケジュール管理、人員の管理やリスク管理などが必要であり、それらの責任者がプロジェクトマネージャということになります。
一方のプロダクトマネージャーは、「プロダクト」つまり「製品」を世の中に送り出すために必要なことを取り仕切るマネージャーです。製品にはそれぞれのライフサイクルがあり、市場の分析から設計・開発、テスト、運用までの流れを俯瞰してマネジメントするのがプロダクトマネージャーの仕事になります。
プロジェクトの性質や取り扱う製品に応じて、プロジェクトマネージャー、プロダクトマネージャーいずれかの管理職を置くのが一般的です。
未経験者にはWeb系エンジニアがおすすめ!
IT業界のさまざまな職種をご紹介しましたが、未経験者におすすめなのはWeb系エンジニアです。
その理由は2つあります。
理由1:スキル習得の難易度が低いから
Web系エンジニアに必要なスキルは、主にプログラミングスキルです。
プログラミングスキルは、パソコンとインターネット環境さえあれば独学でも習得することができ、習得の難易度が低いため未経験者向けなのです。
独学での習得が難しいという人は、プログラミングスクールに通うという方法もあります。
理由2:将来性が高いから
インターネット業界の将来性は高く、今後もさらに技術は進化していくことが予想されます。そのため、インターネット環境に依存した開発を行うWeb系エンジニアのニーズも、さらに高まることが期待できます。
未経験者がWeb系エンジニアになるために習得すべきスキル
未経験者がWeb系エンジニアを目指すために必要なスキルについて見ていきます。
エンジニアは多くのスキルを持っているのが優秀と見なされますが、未経験者はまず最低限のレベルとして以下の3つのことを習得しましょう。
【HTML/CSS】Webサイト制作の基礎知識
Web系エンジニアはウェブサイトに関わるシステムを構築・制作するのが主な仕事です。そのため、ウェブサイトの基礎知識であるHTML/CSSは必ず習得しておく必要があります。
近年ではノーコード・ローコードが主流になり、実際の現場でHTMLをゼロから書くようなことはほぼありませんが、基礎学習の一環として身に付けておきましょう。
【JavaScript】フロントエンドエンジニアには必須
近年注目が高まっているのがJavaScriptです。バージョン管理システムを運営するGitHubが毎年発表しているプログラミング言語のトレンド「Top languages over the years」において、JavaScriptは2014年から7年間もの間、首位をキープしています。(参考:https://octoverse.github.com/#top-languages-over-the-years)
JavaScriptは動的ウェブサイトを実現する汎用的なプログラミング言語であり、スマートフォン向けアプリ開発でよく用いられます。いわゆるフロントエンドエンジニアになりたいなら、JavaScriptは必須言語です。
【PHP/Ruby/Python】サーバサイド言語として初学者向き
プログラミング言語を体系的に学習しておくと、エンジニアとしての将来性や信頼性が高まります。初学者向けの言語としては、サーバサイド言語であるPHPやRuby、Pythonなどがあります。他の言語に比べると環境構築がしやすく、構造も分かりやすいので、ぜひ学習して習得しておきましょう。
PHPは、世界的に利用されるCMSとして人気のWordPressにも使用されている言語です。
Rubyは日本生まれのプログラミング言語で、近年需要はやや下がりつつありますが、根強い人気があります。
PythonはAI技術などを取り入れた今最も勢いのある言語で、GitHubのプログラミング言語のトレンド(既述)では2019年から2位をキープしています。
未経験からIT業界を目指すならWeb系の職種がおすすめ!お気軽にご相談ください
日常で頻繁に耳にするIT業界ですが、その内容は非常に幅広いことがお分かりいただけたのではないでしょうか。
未経験からIT業界への転職を目指すなら、独学でスキルを習得出来て将来性も高いWebエンジニアがおすすめです。
必要なスキルを独学で学習しつつ、未経験枠でIT業界への転職を目指しましょう。