プログラミングは、プログラミングスクールなどには通わず、独学で習得することも可能です。しかし独学は手探りでの勉強となるため難易度は高いです。どうやって進めるか分からなくなってしまい、挫折してしまう人も少なくありません。
そこで当記事では、独学でプログラミングを習得する上での進め方やコツについて解説します。
「どうやって勉強すればいいかわからない」「何から手を付ければいいか不明」と悩んでいる方はぜひご参考ください。
プログラミングを独学する際の順序
プログラミングを独学で勉強する場合、どうやって進めていけばよいのでしょう。
独学を進める上では、やみくもに取り組むのではなく、順序を踏んで進めることが大切です。基本的には以下の様な流れで進めていくのが望ましいです。
以降では、それぞれのステップの詳細について解説していきます。
ステップ1.目的を明確にする
「プログラミング」というのは、コンピュータへの指示書のようなものです。プログラミング言語を用いて、コンピュータにしてもらいたい動作や処理を指示します。
プログラミングを学習する際には、漠然と勉強しようとするのではなく、まずプログラミングで何をしたいかを明確化することが大切です。
「ゲームをつくってみたい」「WEBサイトをつくってみたい」「WEB系のプログラマーとして就職したい」など自分なりの目的を明確化させましょう。そうすることで、学ぶ言語や必要なスキルなどがはっきりしますので、その後の勉強もスムーズに進みます。
ステップ2.プログラミング言語を決める
プログラミングを行う上で使用するプログラミング言語を決めます。プログラミング言語には、以下のように沢山の種類があります。
- Python
- Ruby
- Javascript
- PHP
- Java
- C
- C++
- C# など
最初にどのプログラミング言語を選ばなければいけないという決まりはなく、自分の好きな言語を選んで問題ありません。
ただしプログラマーとしての就職を目標としプログラミングを学ぶ方は、将来の就職先と相性のよい言語を選んだほうが後々役立ちます。
たとえば、「Python」はAI開発に用いられることの多い言語であるため、将来、AIプログラマーになりたい方との相性が良いです。「Javascript」や「PHP」などはWebサイト、Webサービス、Webアプリなどの開発に用いられることが多く、WEBプログラマーになりたい方との相性が良いです。
ステップ3.環境を整える
プログラミングを行う上で、以下のようなものを用意する必要があります。
- 参考書
- パソコン
- IDE(統合開発環境)
- インターネット環境
パソコンのスペックについては、「CPUはCore i5 以上」、「OSはApple製品向けのアプリ開発ならMac、ゲーム開発ならWindow」などといわれることが多いです。とはいえ初心者が簡易なプログラムを作るのであれば、スペックはあまり気にする必要はありません。
IDE(統合開発環境)とは、テキストエディタ、コンパイラ、デバッガなどの必要なツールを統合したアプリケーションのことです。たとえばプログラミング言語javaで開発する場合のIDEとしては「Eclipse」などが有名です。多くのIDEは無料で提供されています。
インターネット環境は必須ではありませんが、不明点などがあった時にインターネット上に無数のノウハウがあるため、独学ではインターネット環境があったほうが心強いです。
ステップ4.基礎知識を学ぶ
ここまでの準備が整ったら、実際にプログラミングを学んでいきます。とはいっても、なんの下知識もなくコードを書くことは難しいので、まずは基礎知識を学びます。
初心者向けの参考書を読み、変数、条件分岐、配列などプログラミングの基礎となる知識を学ぶことからはじめましょう。インターネット上にも参考サイトがあります。たとえば昔からある老舗のノウハウサイト「とほほのWWW入門」では、HTMLなどWEB系プログラミングの基礎知識が無料で公開されています。
もちろん最初からすべての知識を覚える必要はなく、よく使う実用的な知識から覚えていく形となります。
ステップ5.コードを書く
プログラミングの基礎知識をある程度身に付けたら、実際にパソコン上でコードを書き、動かしています。コードを書き、動かし、失敗したら直す、トライ&エラーを繰り返すことで理解が深まっていきます。
どうやってコードを書けばよいかイマイチわからない人は、最初はサンプル用のコードを流してみて、どのような動きをしているか理解しつつアレンジしていくのも一つの勉強法です。
最初はとにかくコードに触れることが大切です。簡単なコードから徐々に理解していきましょう。
ステップ6.成果物をつくる
プログラミングに慣れてきたら、ゲームやアプリなどの成果物を作ってみましょう。ただし最初から高度なものを作ろうとすると挫折しやすいため、初心者は電卓アプリなどシンプルなアプリ作りから取り掛かるのがおすすめです。
ゲームやアプリとして形にし、それが正常に動作することを経験すると、プログラマーとしての大きな自信となります。一歩ずつ成功体験を積み重ねていきましょう。
独学が厳しい方は学習サイトを利用してみるのも
「一人での勉強が心細い」「独学がイマイチうまく進まない」という方は、インターネット上の学習サイトを利用してみるのもおすすめです。
プログラミングの学習サイトとしては「ドットインストール」や「Progate」が有名です。こうした学習サイトでは、プログラミングの基礎知識についての要点がまとめられており、動画やスライドをつかってスムーズに学ぶことができます。
基礎部分だけであれば無料で学ぶことができ、深入りした部分を学ぶ場合でも、料金は月1000円程度です。プログラミングスクールより費用的にもお手軽なため、スクールと独学の中間として活用できます。
また、分からない部分を講師に質問できるサービスや、同じプログラミングを学ぶ仲間同士で交流できるコミュニティが用意されている学習サイトもあります。
独学が上手く進んでいない方は、こうした学習サイトも活用してみると、よい発見になることがあります。
苦手意識が強い方は「ビジュアルプログラミング」からはじめてみるのも
「プログラミングは難しそう」「コードなんてとても書けない」など、プログラミングに対し苦手意識がある方もいるかと思います。
どうしてもプログラミングの敷居が高いと感じる場合は、通常のプログラミング言語ではなく「ビジュアルプログラミング」から入っていくのも一つの手です。
ビジュアルプログラミングというのは、テキスト(コード)でプログラムを書くのではなく、アイコン、絵、ブロックなどを組み合わせ、視覚的にプログラミングを行う技術のことです。ビジュアルプログラミングは小学生のプログラミング授業などにも取り入れられており、プログラミング初心者の勉強法として一般化されつつあります。
ゲームをするように直感的に学んでいけるため、プログラミングに苦手意識がある方は、最初のキッカケとしてビジュアルプログラミングは役立ちます。
ただしビジュアルプログラミングではコードについては学べません。身に付くのは、いわばプログラミングにおける思考力や考え方の部分です。そのため、たとえばいずれjavaでプログラミングをすることになった場合は、javaの言語について改めて学び直す必要があります。
独学だからこそ自分なりのペースで進めよう
以上、プログラミングを独学で習得する上での手順について解説しました。
プログラミングは奥が深く、最初から高度なプログラミングが行えるわけではありません。また失敗もつきものであり、ミスを繰り返しながら、時間をかけ、徐々にスキルアップしていく形となります。
プログラミングは独学で習得することも可能ですが、急いでマスターしようとしたり、最初から高い目標をつくると挫折しやすいです。独学だからこそ、焦らず自分なりのペースを考え、一歩ずつステップアップしていきたいところです。