「インフラエンジニアになりたいけれど将来的なイメージが描きにくい」「5年後10年後はどう働いているのだろう」など、疑問に感じている方も多いのではないでしょうか。
インフラエンジニアには多くのキャリアパスが用意されています。
エンジニア一筋で歩んでいくこともできますし、プロジェクトマネージャー、ITコンサルタント、フリーランスなどに転身して働くこともできます。
今回は、インフラエンジニアのキャリアパスについて紹介していきます。
インフラエンジニアのキャリアパスとは?
まずはインフラエンジニアがどのようにキャリアを歩むのか、大まかなイメージを解説します。
キャリアパスのイメージ
年数はあくまで目安ですが、インフラエンジニアは経験やスキルが武器となる職業のため、一人前になるまで長い時間がかかります。
・入社後、導入研修を受けてシステム開発現場に配属
・最初の数年間は勉強期間、見習いのエンジニアとして経験を積む
・5年以上勤めると、少しずつリーダーの仕事も任されるようになる
・10年以上勤めたベテランのエンジニアになると、本格的にキャリアパスの選択肢が増える
エンジニアとして一人前の経験やスキルを固められると、選べるキャリアはどんどん増えます。
昨今はIT業界全体で人手不足が進んでおり、優秀な人材は喉から手が出るほど欲しいという企業も多いです。
経験やスキルが豊富であれば、他社への転職やフリーランスとしてキャリアを描くこともできます。
見習いや新人のキャリアパス
インフラエンジニアの場合、配属後しばらくは、見習いや新人のエンジニアとして扱われます。
上司や先輩からOJT(職場内教育)を受けつつ、仕事をしながら自己研鑽をしていくのが一般的です。
見習いエンジニア時代の仕事
少なくとも1~2年は見習いとして扱われるのが普通です。
会社によって、3~4年目まで新人扱いすることもあります。
最初のうちは、サーバーやネットワーク機器などの設定作業、運用・保守作業から任されていくことが多いです。
こういった作業は手順書をみながら行うため、見習いでもそれほど難しくありません。
慣れてくると本番環境の構築作業や動作テストに参加させてもらえます。
さらに経験を積むと、設計書やパラメータシートの作成を担当できるようになります。
見習いエンジニアの場合は、いずれの作業も一人で行うのではなく、先輩のフォローが入るのが一般的です。
一人前になったあとは?
見習いや新人の期間が終わると、一人前のエンジニアとして扱われます。
一人前のエンジニアになると、先輩のフォローもなくなり、自分自身の力で構築作業や設計作業を行うことになります。
会社によっては、外部の開発プロジェクトに単独で送り出されることもあります。
一人前になったあと、さらに数年過ぎると、小規模なチームのサブリーダーやリーダーを任されることも増えます。
かつて自分がしてもらったように、今度は自分が見習いエンジニアの教育指導をすることもあるでしょう。
描けるキャリアパス
一人前になったエンジニアであれば、経験やスキル次第で、以下のようなさまざまなキャリアパスを描くことが可能になります。
・スペシャリスト
・プロジェクトマネージャー
・ITコンサルタント
・IT営業
・フリーランス
・経営者
・その他
それぞれのキャリアパスを、さらに掘り下げて解説します。
スペシャリスト
技術力を追求し、エンジニアとしてスペシャリストを目指すことができます。
実際に20年30年を超えても、現場でエンジニアとして活躍している人もいます。
インフラエンジニアのスペシャリストになると、要件定義や基本設計といった上流工程の設計業務に携わることも増えます。
やりがいはありますが、高度なスキルが問われます。
スペシャリストであっても、一匹狼のように働くわけではなく、チームのマネジメントや社員育成を任されることもあります。
プロジェクトマネージャー
インフラエンジニアは、サーバー、ネットワーク、セキュリティなど、システムの幅広い面に携わる職種です。
そのような経験から、システム全体を見渡し統括する「プロジェクトマネージャー」のポジションに抜擢されることもあります。
ただし、プロジェクトマネージャーに抜擢されるためには、技術力だけでなく、以下のようなヒューマンスキルも重要です。
クライアントとの折衝能力、工程管理能力、予算管理能力など
またIT業界はピラミッド構造になっており、一次請けの会社の社員からプロジェクトマネージャーを選出するのが一般的です。
ITコンサルタント
ITコンサルタントとは、顧客のビジネス上の課題をITの面から解決してサポートする職種です。
そのためのシステム導入の提案も行います。
ITコンサルタントも、幅広いIT知識が必要になる職種のため、インフラエンジニアから転身する人もいます。
ただしITコンサルタントは、エンジニアリング業務というよりもコンサルタント業務がメインになります。
IT営業
IT営業の場合、営業スキルだけでなく、ITの技術知識やシステム開発現場の理解も必要になります。
したがって、元インフラエンジニアのIT営業マンも多いです。
会社によって、一定期間エンジニアを経験した社員には、ジョブローテーションの一環でIT営業を経験させて、能力の幅を広げてもらうこともあります。
フリーランス
インフラエンジニアは、技術力が武器となるため、フリーランスとしても働きやすい職種です。
昨今はフリーランス向けの仕事紹介サイトも普及したため、人脈がなくてもフリーランスエンジニアとして働きやすい時代になりました。
フリーランスを名乗ること自体は簡単ですが、安定的に仕事を得るには、インフラエンジニアとしての十分なスキルや実績が必要です。
フリーランスになると、会社側のサポートもなくなり、頼れる先輩も部下もいません。
すべて一人でこなすことになりますので、それに見合った経験が問われます。
経営者
インフラエンジニアとしての経験を活かし、IT分野で起業するケースもあります。
一般的に多いのは、小規模なシステム開発会社を立ち上げ、自分と同じようなインフラエンジニアを雇い、開発プロジェクトに派遣するという形態です。
自分自身も経営者兼エンジニアとして、現場で働くこともあります。
経営者となると、経営やビジネス的な視点も必要になり、責任も大きくなります。
うまく事業が軌道に乗れば、会社員時代とは比べものにならないほどの収入が得られることもあります。
その他
インフラエンジニアの仕事で培った業務知識やIT知識を次の世代に教える、以下のようなアドバイザー的な職種もあります。
・IT専門学校などの講師
・IT関連本の著者
・YouTuberやブロガー など
ITについてあまり知らない人に対してアドバイスすることもあるため、難しいことを分かりやすく伝える力が必要になります。
まとめ
インフラエンジニアには豊富なキャリアパスが用意されており、選択肢が多いです。
ただし、誰でもプロジェクトマネージャーやITコンサルタントに転身できるわけではありません。
難しい職種ほど席も少なく、求められる経験やスキルのハードルも高くなります。
自分の望むキャリアを歩むためには、早くから目標とするキャリアイメージを固めることが大切です。
キャリアを実現するために、必要な経験やスキルを把握して積極的に磨いていきましょう。