未経験の方がプログラミングを始めようとしても、最初にまず何をすればよいかがわからず、挫折してしまうケースも多いです。プログラミングには順序があり、最初からアプリやゲームが作れるわけではありません。一つずつステップアップしていく必要があります。
当記事では、未経験の方がゼロからプログラミングを身に着ける際の「始め方」について、順を追って解説します。何から手を付けていいかわからず次に進めない方はぜひご参考下さい。
始め方1. 作りたいものと言語を決める
プログラミングはあくまで手段であり、何を作るかによって、必要となるスキルや扱うべきプログラミング言語なども変わってきます。未経験者の場合、まずはプログラミングを用いて何を作ってみたいのか、将来どんなものを作るプログラマーになりたいのかをイメージしてみてください。
たとえば、プログラミングを用いて以下のようなものが作れます。
- WEBサービス
- スマホのアプリ
- ゲーム
- AIサービス
- マイクロソフトオフィスの拡張機能 など
WEBサービスを作りたいのであれば「PHP」、iPhone系のアプリを作りたいのであれば「Swift」のように、作りたいものを決めることで、それに適したプログラミング言語が定まってきます。
何を作りたいかわからない場合は?
本来であれば何を作りたいかの目標があるとよいのですが、すぐに思い浮かばない方もいるかと思います。そうした場合は、習得難易度の低い簡単なプログラミング言語を練習用として学んでみるのも一つの方法です。
- JavaScript
- PHP
- VBA
- Python
まずは簡単な言語でプログラミングに触れ、慣れてきたら、将来の進路にあったプログラミング言語を学び直すという道もあります。
本当の初歩から学びたい場合は?
「プログラミング言語なんて決められない」「もっと初歩から学びたい」という方は、「ビジュアルプログラミング」という方法もあります。
ビジュアルプログラミングというのは、アイコン、絵、ブロックなどの視覚的な組み合わせでプログラミングが行える技術(言語)のことであり、小学生のプログラミング授業などにも取り入れられています。テキスト型のプログラミング言語のように呪文のようなコードは書かないため、未経験者やコードに苦手意識がある方でも入りやすいです。
ただしビジュアルプログラミングで身に付くのは、プログラミングにおける思考的な部分であり、行えることも限られます。そのため、将来、本格的なアプリやサービスを作る場合、テキスト型のプログラミング言語に移行する必要があります。
始め方2. 環境を準備する
プログラミングを始める上で、以下の道具や環境を用意する必要があります。
用意するもの | 内容 |
---|---|
参考書 | 変数、条件分岐、配列などプログラミングの基礎について学べる初心者向けの参考書が望ましい。 ※参考書がない場合、インターネット上の参考サイトなどで知識を得ることも可能。 |
パソコン | ・パソコンのスペックは「CPUはCore i5 以上」が推奨されることも多いが、簡単なプログラムを組むだけであれば低スペックパソコンでもあまり影響はない。 ・場所を問わず使えるノートパソコンがおすすめ。 |
インターネット環境 | ・調べものをする際、ツールをダウンロードする際などに使用する。 ・常時通信を行うわけではないため、回線品質などは特に問われない。 |
ツール | ・プログラミングを行う上では「統合開発環境(IDE)」と呼ばれるツールを使うことが多い。エディタ、デバッガ、コンパイラなどのツールをまとめたものであり、通常は無料でダウンロードできる。 ・JavaScriptのようにブラウザとエディタだけでプログラミングが行える言語もある。 |
プログラミングの場合、さほど入念な準備をする必要はなく、参考書1冊、日常的に使うスペックのノートパソコン1台、インターネット環境があればプログラミングは始められます。
始め方3. プログラミングに触れる
準備ができたら、実際にプログラミングに触れ実践していきます。ここでは未経験の方がプログラミングを上達するためのポイントやコツを解説します。
ポイント1. 簡単な処理から模写してみる
まずは参考書を読み、変数、条件分岐、配列など、プログラミングの基本知識を覚えます。
そうしたら、簡単なプログラムを組んでみましょう。プログラミング練習の第一歩として、「Hello world」の文字列を画面に表示させるという手法が世界的に有名です。
次に、参考書や動画などで公開されている練習用のサンプルコードを模写してみましょう。最初のうちは簡単なコードからはじめ、コードを書くこと自体に慣れることが大切です。ただ模写するだけでなく、どういった動きをしているかを意識することも上達するためには大切です。
ポイント2. 参考書を読み理解を深める
コードを書くのに慣れてきたら、参考書を読み進め、さらに多くの知識を蓄えていきます。参考書で勉強する際のポイントとしては「全部を理解しようとしない」「丸暗記はしない」ことが大切です。
プログラミングに関する知識は膨大であり、すべてを理解しようとすると挫折する原因となります。まずはよく使う基礎的な部分を理解し、理解した内容を基にサンプルコードを書く、わからない部分があればその都度逆引きして調べるというのも一つの学習方法です。
ポイント3. トライ&エラーを繰り返す
知識が増えてきたら、少しずつ複雑な処理のコードにチャレンジしていきます。サンプルコードを模写するだけでなく、自分でオリジナルのコードを書くことにも挑戦してみましょう。
プログラミングにはエラーがつきものであり、一発で正常に動作することはほとんどありません。エラーが出たら、なにが原因かを調べ、修正する、このトライ&エラーを繰り返していくことで経験値が増え、プログラマーとしての実力が積みあがっていきます。
ポイント4. 形にする
ある程度プログラミングに慣れてきたら、アプリ、ゲーム、WEBサービスなど、形あるものを作ってみましょう。
ただし、市販化されているような水準のアプリやゲームは、初心者が一人で作れる代物ではないため、あまり目標を大きくすると挫折する原因となります。最初は「電卓」などのシンプルなアプリ機能からチャレンジしてくのがおすすめです。
アプリやゲームのような形ある機能を作り上げることで、プログラミングへの理解は一層深まり、プログラマーとしての自信にも繋がります。
始め方4. 知見を広げより深くプログラミングと向き合う
ここまでのステップを踏み、自分でアプリやゲームを作れるようになると、そこで満足してしまう人もいます。しかしスタートラインに立ったに過ぎず、プログラミングでできることはまだまだ沢山あります。知見を広げ、よりプログラミングについて知ることが次のステップとなります。
イベントに参加する
プログラマー向けのイベント、セミナー、技術展などが、全国各地で定期的に開催されています。初心者向けの学習イベントやオンラインイベントなどもあります。
そうしたイベントに参加すると刺激され、新しい発見があります。次に作りたいものや、学ぶべき技術が見つかるかもしれません。
仲間を見つける
SNSなどを通じ、プログラミング学習中の仲間を見つけることも励みになります。できるだけ自分と同じようなレベルの仲間を見つけるのが効果的です。
仲間の進捗をうかがったり、情報交換をすることで、自分が次になにをすべきかがクリアになることもあります。
仕事をしてみる
職業としてプログラマーを目指している方であれば、実際にお金を得る経験をしておくと将来の糧となります。プログラミング初心者であっても、クラウドソーシングサービスなどを通じて、簡単なコーディングなどの単発案件を受注できることがあります(ただし仕事をこなすための一定水準のスキルは必要)。
仕事としてこなせば、実績、ポートフォリオにもなりますので、転職活動時にアピール材料として使えます。
焦らず出来る範囲から取り組んでいこう!
以上、未経験からのプログラミングの始め方について解説しました。
プログラミングは、すぐにマスターできる訳ではありません。トライ&エラーを繰り返しながら、時間を掛け、一歩ずつ段階的に上達していくことになります。最初はサンプルコードの模写などできる範囲から始め、焦らず、少しずつ深入りしていくことが大切になります。
最初はコードを見るだけで頭が痛くなってしまっていた人でも、少しずつ経験を積み慣れていくことで、いつの間にか自然にプログラミングが出来るようになるでしょう。